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行方不明からおよそ1週間後
あいつが……Aが学校に姿を現した
数日前に見つかったという連絡を受けていた俺らは、
Aが戻ってきた日常を簡単に受け入れた
Aも、攫われたことなんて一言も話しに出さず、
前みたいにふるまっている
だけど、
彼女の目の下には確かに隈ができていた
髪に艶もない
ちらちらと見える手首には今もなお、縛られた時の痣が残っている
聞いた話じゃ犯人は１つ上の先輩だったらしい
元々は恋仲だったらしいがAの方から別れを告げ、
今回のはその時の腹いせ……らしい
「元気そうでよかったね。あの子」
そういうのは頬杖を突きながらAを見る友人
どこかつまらなさそうにしていたのは、きっと気のせいだ
そう……気のせいだ
「慰めてあげたら？ってまーしぃあの子のこと嫌いだったけ？」
「……あぁ」
「そっかぁ。でもあの子も運悪いよね。下校途中にぐーぜん元カレと会って、しかも攫われちゃうなんて。腹いせらしいけど、二人で何したんだろうね」
「……おい、なんのつもりや」
「なんのつもりって？なに？僕がなにかしたとでも？やだな。疑わないでよ」
そういって冷めた目で見てくる友人
あれ……こんな奴だったっけ
「僕はね、まーしぃ。君のこと友人だと思ってるよ。とっっても親しい友人ね。」
「それは俺だって……」
「うん。だからね、僕は君に幸せになって欲しいんだ。嫌な気持ちになって欲しくないの。」
「………」
「友人は大切にしないとだよね？クフフフッ」
いたずらっ子のように笑う友人
いつもの笑顔のはずなのになんだか別人に見える…
いや、それよりも……
こいつだ
こいつが事の主犯だ
なにがこいつにそうさせたかわからない
だけどなんとなく自分が原因じゃないかって感じている
だとしたら……謝らねぇと……
変なことに巻き込んじまって、怖がらせてしまって……
放課後になり、一人教室を後にしたAの後を追いかけた
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作者名：武蔵野 三歩止（ﾑｻｼﾉ ﾐﾎﾄ） | 作者ホームページ：なし
作成日時：2019年7月1日 16時
