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☆★☆



「Aさん、ずっと休みだね。まーしぃ?」




スマホに視線を落としながらそういってくるのは俺の友人

なにを言いたいのか。

あいつが休みだろうが別に俺には関係ない

むしろ気分がいいくらいだ




「心配じゃない?あの子のこと」


「なんでや。どーせ風邪かずる休みやろ」




興味ない、という風にアプリゲームを開くと友人の口から耳を疑う言葉がでてきた




「それがね、誘拐されたんじゃないかって噂だよ」


「……は?そんな突拍子もない……」




疑わし気に友人を見ると、彼は手に持っていたスマホの画面を見せてきた

開かれているTLには、あいつが攫われたらしいという言葉が溢れている

それ以外にも、今朝学校に警察が来ていたという話もある




「まじで言ってんの……?」


「うん。今朝あの子の家に警察きてるの見た子もいるみたい」




寝耳に水なことに持っていたスマホを落としかける

半信半疑だった俺もその後、一人での下校を避けるようにという先生の話で確信を持つことになった


どうしてあいつが……

ヘラヘラ笑ってて、ふらふらといろんな人と関わり合う

数日前だって……

あれで誤魔化せてると思ってるのかよ……!


話を聞いたって今更俺にできることなんてない

クラスのやつらだって口では心配しているけれど、その顔には非日常を楽しんでいた

これが唯一無二の友人だと言えば、彼らも真剣な顔をするのかもしれない

だけど話の中心にいるのはAだ

誰とも深く関わらずに生活してきたあの女だ

みんな他人事なんだ


これが……お前のやってきた結果だよ……A……

これが……お前が望んだ結果かよ……


誰よりも不器用で繊細で、怖がりなくせに……

全部ぜんぶ隠して……

だから俺はお前のことがっ……!

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作者名:武蔵野 三歩止(ムサシノ ミホト) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年7月1日 16時

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