初恋*Kanato ページ9
『おい奏人っ、何ボーッとしてんだよ』
奏人「ボーッとなんかしてないっすよ」
『いやいや。お前今なんか隠したやろ』
奏人「いやいやいやいやー、そんなこと絶対ないし!」
井端「奏人! お前何移動してんだよ。早くセカンド戻れ」
身体が勝手に移動しちゃうんだよねー。
ショートの定位置辺りにふらーって。
で、坂本が言う通り、ボーッとしてたのは事実。
変なこと考えてた訳じゃないよ?
かといって野球のことでもないけど。あ、井端さんには秘密ね? 今守備練中だからさ。
昔のこと、少し思い出してたんだ。坂本が幸せそうに凛夏ちゃんの話するからさ。もちろんAさんの名前も出てくる訳で……。
俺の初恋の人の名前が……。
思い出すよ。
中学生、まだチビだった頃のこと。
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“奏人、来週野球観に行くか?”
見上げるくらい背の高かった高校生の兄貴は、恋相手にしか興味がなくて、結局父さんと二人で観に行くことになった。
中学生になったら兄貴みたいに背伸びるから、と言われてきて、それなりに期待してた。
だけど、全く延びなくて。小学生に間違えられてばっかり。
兄貴が凄く大人に見えて、
そのときの俺は大好きな兄貴と隣に並ぶのが嫌なくらい、身長がコンプレックスだった。
だけど、今思えば中身も結構ガキんちょだった。
小学生みたいな性格だったな。
巨人のショートを守り続ける背番号6にただただ憧れて。野球を始めたときから、希望のポジションはショートだけ。
だから、前日にデッドボール受けて、スタメンに名前が無かったとき、ちょっとぐずったんだ。
そうしたら、隣にいたお姉さんが、
一緒にお話してくれて、
一枚の写真をくれた。
お姉さんも、背番号6が好きで、
写真を撮るのが大好きなんだって。
そして、背番号6は必ずやってくれるよ、と言って、僕の写真も撮ってくれた。
いつか僕が背番号6に追い付いたとき、その写真を受けとると、約束をした。
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結ばれていたなら、結構ロマンチックな出会いでしょ?
小さな女神との約束。
それが、俺をこんなにも変えたんだ。
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T628maki(プロフ) - 続きみたいのでパスワード教えてください (2015年5月30日 21時) (レス) id: c92e37a18d (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - ゆきピノ♪さん» ごめんなさい! めっちゃ返すの遅くなりました汗 嬉しい言葉ありがとうございます! (2015年5月20日 18時) (レス) id: fea549f5b8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきピノ♪(プロフ) - このシリーズ全部読んでますがめっちゃ好きです!絶対チェックします! (2015年5月12日 17時) (レス) id: b7535f12e6 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - ゆきピノ♪さん» ありがとうございます! 了解ですっ! 上手くかければいいですが…… チェックよろしくお願いします!! (2015年5月12日 17時) (レス) id: fea549f5b8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきピノ♪(プロフ) - はじめまして!どの作品もリピート読みしまくってます!この話の延長とゆうか別バージョンの宮國ファミリーのストーリー作って欲しいです (2015年5月12日 0時) (レス) id: b7535f12e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひー | 作成日時:2015年3月2日 21時