【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第九章】 (ページ2)

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笑【瀬戸内帝華/蓮@雫3318】ページ2

『愛してるわ』
『貴方は悪くない』
『大丈夫だから』

『安心して、私達を××なさい』
ーーーーーーーーーー……

「ーーーーっは?!」
ビクッと体が跳ねる。
手に鋭い痛みが走って、其処に目を向けたら、私はメスの刃の方を握っていた。
天秋はすぐに私がメスを握った事を察して、焦りながらも「手を貸して」と処置をしようとした。
そして、自身の手に目を落とした。
手から流れ落ちる血は、どす黒だった。
天秋に色は判らないから大丈夫だが、私はこの血の色をなんとしても隠さなくてはいけない(･････････････････)。
ふわりと笑って、天秋に話しかける。
「大丈夫だから…もうすぐ11時になるし、リビングでお茶を淹れなきゃ」
と、理由を付けて足早に部屋から去った。
ズキズキと、手の傷が傷んだ。
リビングに着いたら、能力者はまだ誰も居なくて、ほ…と胸を撫で下ろした。
ティーセットを使って、ハーブティーやフレンチトーストを作る。
美味しく出来た。
サラダも作っておこうと野菜を切っている途中、指を切ってしまった。
「痛…」
指に触れたら、黒が指に広がって行く。
くらりと、甘い匂いがした。
吐きそうなくらい、甘い匂いが。
「うっ…」
口を抑えてしゃがみこむ。
ガンガンと頭痛が来て気分が悪い。
ある光景が脳にフラッシュバックした。
そして、同時に私は思い出した。
(…ああ、そうだったんだ…)
ぎこちなく立ち上がる。
ポキ、と骨が鳴った。
壊れた人形の様な、ぎこちなくて、不気味な動き。
完全に立ち上がり、サラダが出来た時、鳩時計が鳴った。
その瞬間、能力者が4.5人入ってきた。
私はそちらを見て、微笑んだ。
「話し合おうか」

ほら見てよ。
この完璧な笑顔。
この笑顔で愛想を振り撒けば、たちまち皆が笑顔になる。
だって私は道化。
人を幸せにしなくては、意味が無い。
笑えもしなくて、皆に迷惑をかける私なんて、
つまらない
だから笑う事を選んだ。
私は私を捨ててでも、幸せにする道を選んだ。
ねぇ、私間違ってる?
私

笑えてる ?

突然、パシッっと腕を捕まれた。
その人物は、私にこう言った。
「無理して笑うな」
私は、諦めて笑った。

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なんかめっちゃ帝華の手に集中攻撃されてて笑うわ。