【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第四章】

胸騒ぎ【神月いのり/ユウミ】 ページ32

「あ、」

鈴蘭が、ホテルの廊下に落ちた。

ふと自分の手をみるとガクガク震えている。

先程から、どうにも身体の震えが止まらない。
嫌な予感がして仕方がない。

「何故…」

そう呟いても、周りには誰もいないので返事など返ってこない。

私は、頭を振る。

少しでも、この状況を忘れてしまうために。


またしばらく歩いていると、秋華がどこからともなく飛んできて私の前をひらひらと舞いどこかへ行く。

「ついてこい…ってこと？」

鈴蘭を持ったまま、秋華についていくとやがて天秋さんの部屋の前に着いた。

「秋華。どうしたの？ここは天秋さんの部屋よ？」

秋華は、無言でドアにとまり羽を動かす。

「…わかったわ。天秋さん、いのりよ！」

中からバタバタと音が聞こえる。慌てているのかしら。

「え、ちょっと、待っ…」

「？…失礼します」

あまりの慌てようが気にかかったので、部屋に入ると

「…！あなた、あのときの!!」

あの助けた女の子が、首筋に天秋さんの刀を突きつけられていた。

「い、いのりさん…」

天秋さんが、いかにも気まずそうな顔をした。

久し振り【瀬戸内帝華/蓮@雫3318】→←即死の矢【エールシア・フォン・ウォールネット/さっき】

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