【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第四章】

適切な判断【エールシア・フォン・ウォールネット/さっき】 ページ28

資産家のエールシア・フォン・ウォールネットと言ったら、ちょっとした有名人だ。
世界に一割しか存在しない能力者であり、一生使っても使い切れないほどの大金を所有する彼女はこの世界において圧倒的な強者である。しかし、彼女について人々が知ることは少ないだろう。彼女は極度の口下手で、極一部を除き人とあまり接触したがらない主義者なのであった。
その“極一部”とは、彼女が友人と思っている数人の能力者である。
エールシアがその能力者といつ、どのように接触しているのかは謎に包まれていた。
その場所とは…




いつも通りに家から出て、空間移動を使って大木の麓へ移動した。
今日も、あの人々がいる。この街がある。この金だけが支配する狂った世界で生きていけるのはここがあるからなんだろう、と私はは自覚している。
ここは能力者の、言うなれば溜まり場だ。ここには能力者が多くいる。
私が心を許す数少ない友人の能力者たちともここで出会い、ここで会って話す。
今日はまだ来ていないのだろうか。
この街は意外と狭い。その辺にいたらすれ違うかもしれない。その判断が適切だろう。
その辺にベンチを見つけ、そこに腰掛ける。

…今日はなにをしようか。

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