【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第四章】 (ページ14)

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舞姫【神月いのり/ユウミ】ページ14

時は遡り、前日。

『やぁ。舞姫さん』

無黒さんの弱点を探して、街を歩いていると変な人が現れた。

舞姫って何ですか？

私は霊媒師ですよ？

『ぼくは神だよ！』

あ、例の紙さまですか。

「私に何の用ですか？と、いうかどうして私と話しているんですか？」

溢れる疑問をそのままぶつけると、神は率直だなぁと苦笑いして

『ほら、君って霊とお話できるよね。その力をちょちょいと利用したのさ』

『神さまだからね！』

何、この神神連呼してくる感…しつこい。

『いのりちゃんへの用っていうのは、お礼と…あとお願いだよ』

「お礼？」

私、何か良いことしたかしら？

『君は、皆の陰謀渦巻くこの世界の舞台上で踊ってくれているからそのお礼』

…そういうことですか、先程の舞姫とは。

『こんな舞台じゃ、踊りきれなくてこけてしまう人だって多いのに……。いや、そもそもいのりちゃんだって何かしら計画して良いのに…』

「…私は、流されるまま生きているだけです。それに、計画なんて……建てるのも実行するのも苦手なんですよ。

私、手を煩わせることは嫌いなんです」

『へーえ。いのりちゃんにとって、計画は手を煩わせることなんだ』

神は興味深そうに言う。

「それで、お願いとは？」

『同じようなことだよ。このまま、この舞台で踊り続けてほしいんだ』

『今のいのりちゃんは、舞台を降りてしまいそうだからね』

「…！」

曲がりなりにも、やはりこの人は神のようだ。

「わかりました。では、もうしばらく踊りましょう。神さまの御霊にかなうように」

『ありがとう。…おっと、そろそろ物語が動き出すみたいだ。

……最後に、ひとつだけヒント。君の知りたいことは、案外すぐそこにいる人が教えてくれるよ』

神はそう言って消えた。

その後は、怜加さんたちと合流してすぐに寝た。たぶん、人生最速の寝付き。

ただ、個人的には帝華さんの手が内出血していたのが地味に気になった。

何があったの…？

―――――――
勝手に神さまを使わせて頂きました(_ _)