【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第四章】 (ページ2)

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言えない。【叶胡天秋/天秋】ページ2

騒がしい。

皆して五月蝿いなぁ。

刀をくるくると片手で弄びながら、ホテルの窓を思いっきり割る。

まずは、ここにいる能力者(ヤツら)をやろう。

五月蝿いし。

五月蝿いし。←

「お楽しみ中失礼します。

死んでください。」

「「断るっ！」」

「怜加さんが何故二人いるのか分かりませんが

拒否権はございません。」

ぎゃーぎゃー言っている二人を呆れて見ていると、いのりさんが話しかけてきた。

「ねえ、天秋さん。

あなたは誰かしら？」

「え？

わたしはわたしです。」

「けれど…。

あなたは本当にわたし達を殺したい様には見えないの。

何をそんなに悩んでいるの？」

内心、ちょっと焦った。

本当の黒幕はバレているのだろうけど、わたしは隠し通さなきゃいけない。

最期まで悪役でいないといけない。

だから、わたしはふわりといのりさんの背後に回ってぐいっと抱き寄せた。

「いのりさん。

優しさは時に誰かを救います。

優しさは時に誰かを傷付けます。

優しさは時に

己を滅ぼします。」

いのりさんを離した瞬間に、部屋中に花を咲かせる。

咲かせたのは、たくさんの鈴蘭と

一輪の黒いチューリップ。

「無慈悲な世界は

どうやっても無慈悲だって言いましたよね。

能力者(あなた)達がどれだけ抗っても

わたしは必ず追い詰める。」

鈴蘭には、猛毒がある。

もう、これ以上抗わないでください。

やるしか無いんですから。

これしか道が無いんですから。

「さようなら」

黒いチューリップの花言葉
〔わたしを忘れて〕

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