【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第四章】

殺戮。【叶胡天秋/天秋】 ページ9

髪が長い方の怜加さんに吹っ飛ばされた。



今日二回目だな、これ。



受け身を取ったから、何とか立ち上がれる。




「56、貴女さー








”誰の許可を得てこんなことしていいと思ったのかしら”」



その言葉に、外へ出ようとした足が一瞬止まる。


けれど、すぐに動くようになって、わたしは窓から外へ出た。



さっき、怜加さん二名と帝華、いのりさん以外の人が見えたような気がするけど、きっとあの部屋に入ってきたなら死 んでる。



手紙に書いてあったミッションと言うのもよく分からない。



消さずに、壊さずにオークションを無くせる？



無理に決まってるじゃないか。




わたしは、能力者を殲滅しないといけない。



わたしが守るべきものを守るために。




部屋を出るとき、視界の端にちらりと映った帝華は



恐ろしい形相でこちらを睨んでいた。








無慈悲な世界は


どうやっても無慈悲。




希望なんて


ありやしないんだから。





始めましょうか。




最悪の殺戮を。





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