【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第四章】 (ページ45)

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だいすき。【瀬戸内帝華/蓮@雫3318】ページ45

「ーーーーッ!!」
気配で分かる。天秋が、また死に急いでいる。
「天秋、開けろッ!!」
ドンドンとドアを叩く。
能力でも開かない。
「ッーーーーーヤケだ!!」
『天使の加護』
加護で植物を燃やす。
天秋がこちらを驚いた顔でみる。
イライラする。どす黒い感情が溢れ出す。けど、それ以上に悲しかった
「私は、病気で本来なら3日も生きれなかった。生き返っても8ヶ月しか生きれない。どう足掻いても1年以内死ぬ。」
「ッーーーーー!!それでも!!私は帝華と居たい!!ずっと!!」
ねぇ天秋、ずっとなんてないの。
「私が死ぬべ…き…」
力が入る。泣いてしまいそうだ。
「私より、生きれるくせに…」
生きる事を放り投げるとかの楽、しないでよ。
「天秋は、いっつも私を振り回して…私の我が儘なんて聞いてくれない!!私が死んだら天秋も後追いする?!知ったこっちゃないよ!!」
私の分まで生きてよ。こんなに生きる為に足掻く私が、惨めじゃないか。
酷いじゃないか。傷付くじゃないか。
「馬鹿!!馬鹿馬鹿大馬鹿!!自分の事を後回しにして、良いことをした気分になるなんて、自己中にも程がある!!」
本音が次々と漏れる。こんなに私は弱くなった。ギャンブラーを名乗れない。
「皆馬鹿じゃない?!闇を抱えてるなんて知らない!!前を向くことしかしない私が、馬鹿みたいじゃ、ないか…」
「…帝華」
天秋の首に手刀を落として気絶させ、麻酔を打つ。
激しい痛みを感じながら私は自分の心臓を抉り出す。
移植は成功。
天秋は心臓病を克服し、今も生きている。
私の左胸に大きな傷が出来た。
天秋は生きている。それで満足なのに…なのに天秋は私と目を合わせない。
『寂しいなぁ』
私は此れを本音と認めたくない。
そのまま、１日が過ぎた。