【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第三章】

なけなしの奇跡【神月いのり/ユウミ】 ページ30

「っ…れ…いか…さん…？」

「こんにちは、いいえ初めましてね。いのりさんかしら？」

「えっ…」

「ああそうそう、いのりさん。私は貴女の知っている神崎怜加じゃないわ。元の、神崎怜加よ」

「さあ、ショータイムよ。この世界を作った黒幕を、教えてあげる」

突然やってきた怜加さん…もとい、元の怜加さん。

少しは女の子っぽいけれど、扉を蹴破る豪快さをみるとやっぱり怜加さんなのかと納得する。


これは…また、ひとりぼっち？

天秋さんはおかしいし、怜加さんも元怜加さんになってしまった。

さっきは、まだなんとかできた。

でも、能力者もほとんど生き残っていないような状況では私は怖くて行動できない。


霊をおろそう。

誰かいないだろうか。
こんな状況でも勇猛に振る舞う人…。

「あ、」

帝華さんだ！

行動力のある帝華さんなら、きっと打開策を見つけられる！

あの身体の損傷具合なら、たぶん死んでいる。

さっそく呼び出そう。

「आत्मन्तनू आत्मन्तनू」

私は、呪文を唱えた…が。

……霊が、おりてこない？

嘘、今まで死者を呼び出せなかったことなんて一度もないのに…！

…なら、死んでいなければ？

そうだ、生者は依頼人がいない限り呼び出せない。

私はバッと帝華さんの方を向いた。

「いのりさん…」


い、生き返ってる…！

私は、帝華さんの元へすっとび脈をとった。

うん。活動している。

「帝華さん！生き返ってる！」

私は何回も、何回もそう言った。

生き返った人に会うなんて、初めてだったから興奮してしまったようだ。

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आत्मन्はサンスクリット語で霊。

तनूはサンスクリット語で身体を意味します。

紙との対談と完全復活【瀬戸内帝華/蓮@雫3318】→←人格【神崎怜加/omizu】

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