【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第二章】 (ページ27)

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姉妹喧嘩と最後のフィナーレ【瀬戸内帝華/蓮@雫3318】ページ27

夢を見ていた。

幸せが、壊れたんだ。

姉と一緒に居たけど、知らない人に連れ去られた。

その後…その後は…

ああ、姉さんが泣いている。

私が悪いの。だから、安心してください。

護るから…

ねぇ、貴方は誰？

酸素が急激に入ってきて、私は思い切りむせた。

「ゲホッ…！ゲホッ、」

息をしていると自覚したとたん、自分の首を絞める。

なんでなんでなんでなんでなんで。

消えない。消せない。救われない。

すると、視界に天秋ちゃんが入ってきた。

「姉…さん？」

ぞわりと体の血が逆流する。

体の痛みが、無い。

「馬鹿っ！」

思い切り意識の無い天秋を平手打ちする。

そして、細胞の復活を試みる。

「出来たには、出来た…」

その代わり、私は衰弱しきっていた。

ぱちりと、天秋が目を開ける。

頬の痛みに疑問を持つも、私を見た瞬間

「帝華?!なんで能力を使ってるの?!安静に、しないと…」

彼女はその先の言葉のぐっと飲み込んだ。

私が思い切り睨んだから。

そして、私は力のまま叫ぶ

「馬鹿じゃないの?!アンタ、自分が何したか分かってるの?!自己犠牲なんて自己満をして、そんなに楽しい?!そんなに私を惨めにしたいの?!」

連れ去られた時、助けてと何度も願った。

なのに、心の中で謝りながらお母さんに殴られる事しかしないなんて、

「結局アンタはなにもしない！何もやらない！ただ自分が悪いって溺れてるだけじゃん！」

私が身を投げたのは皆を護るため。

アンタも皆を護りたいんでしょ？

「賭けをしよう。」

「私を一人で消すか、それとも」

いま、私が自分消えるのを見過ごすか。

「どっちか選んで。姉さん。」

ポタポタと滴る雫が、私と姉さんの気持ちを代弁していた。

さあ、姉さんの決断でフィナーレが決まる。

私の人生最期のフィナーレが。