このみマウス

拾參 ページ13

教室。
学校において、生活を送ったり、勉強をする部屋。
そこで私は、机に突っ伏していた。
私の近くを通りかかる生徒は皆、一様に顔を引きつらせている。
理由として考えられるのは、私が気持ちの悪い声を出しているからだろう。
「おはよう、菓。今日は早いな」
「するがあっ！」
駿河の声を聞いた私はすぐさま駿河に抱き付いた。
凄く……物凄く安心する！
駿河の匂いは私の大好きな匂いだ。
「ど、どうしたんだ？ 菓、やけに元気が良いが……何か良いことでもあったのか？」
「あったよ！ 超あった！ ベリーあった！」
駿河の胸元に埋めていた顔を思いっきり持ち上げ、駿河の眼を見て言った私に対して、駿河は優しげな笑みを浮かべていた。
「きょ、今日ね！ 戦場ヶ原先輩とお話ししちゃったの！ もう、本当素敵！ 頭撫でて貰った！」
「なるほど、菓も戦場ヶ原のことが好きなのか」
「駿河の次にすきー！」
再度駿河の胸元に頭を埋めて、ふわりと広がる駿河の香りを堪能する。
幸せだなあ。
幸せすぎて死んでしまってもおかしくない！
これで阿良々木先輩が居なければなあ……。

「菓、予鈴が鳴ったから私は席に着きたいのだが」
「あと十秒ー」

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