僕(わたし)と凍原男の非日常【ロックマン】

プロローグ ページ1

『てれ、てれ、てれ、てれれれ〜♪』

紙袋を持ち、ロックマンのボス撃破のイントロを鼻歌で歌いながらスキップする。


はじめまして。僕はA。

唐突だけど、僕は基本、あまり鼻歌を歌わない。

それなのに、どうして歌っているのかって？

それはね…今持っている紙袋の中に、ずっと欲しかったロックマン11が入っているから。

念願のロックマン11だよ…そりゃあ普段歌なんか歌わなくても、嬉しくてついつい口ずさんじゃうよね？

よーし、家に帰ったら早速やっちゃおー！


「そこの子！！危ない！！｣

突然、後ろで誰かが叫んだ。

『え？』

びっくりして振り向いた時には、もう遅かった。


ドン！！

グシャリ


激しい衝突音と、何かが潰れる嫌な音が響く。

「いやああああああぁ！！｣ ｢きゃあああああ！！｣


甲高い女性の悲鳴。

それと共に、全身に焼けるような激痛が走った。

視界が緋色に染まっていく。


もしかして…私(·)、車に轢かれた？


意識がだんだんと遠のいていく。


そんな…せっかくロックマン買ったのに。


プレイできないまま死んじゃうんだ。


…なんで私って、こういう時に限って冷静でいられるのかな？


でも…もうそんなの…どうでもいい…眠く…なっ…てきた……。



そこで、私の意識は途切れた。

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