教祖様から逃ゲ出シタイ。【鬼滅の刃】 【童磨】

episode.23 ページ25

目を瞑って蹲っているはずなのに、暗闇の中に鮮明に記憶が蘇る。









まるで、過去の私を『わたし』が第三者視点で見ているような感覚。









……この、光景は。









「ふふ、師範は本当によく食べますね！」







煉獄？「君はもっと良く食べなさい！細すぎて心配だ！！」








「うっ、そんな大盛り無理です！！」









……当時の師範との、ご飯の記憶だった。









これで煉獄に嫌悪感がない理由が分かった。…私の師範は、煉獄の祖先だろう。







いや、だろうとかじゃなくて確定だな。……顔が濃すぎる。









楽しかった。この時は嫌なことを忘れられて、お喋りする時間が楽しかった。









………でも、この時以外の時間は。









他柱「お前の姉のせいでたくさんの被害が出たんだぞ！！」






ﾄﾞｺﾞｯ








「痛いっ、…！やめて、私は何もしてないじゃない、っ！」






他柱「煩い。お前の血縁者だぞ、お前にだって関係あるだろうが」









「がっ、…！」









煉獄「……何をしている」









苦しかった。他の柱からも、階級が下の隊員からも陰口を言われて。あらぬ噂を流されて。









でもその時、師範が助けに来てくれたんだった。









………私が戒められる理由は、ただ一つ。









姉が、鬼になったから。

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