#6 ページ6
１限目と2限目が終わり
3限目の授業の途中で彼は教室に入ってきた。
今すぐにでも走って駆け寄りたい衝動を押えて
チャイムがなるのを待つ。
あと少しだと言うのにこの時間が長く感じてしまった。
キーンコーンカーンコーンっとチャイムが鳴り響く。
早く鳴り止んで欲しい。
チャイムが終わった瞬間、私は直ぐに彼の元へ向かった。
「大丈夫だった！？」
周りが驚きながら私達の方を見る。
「うん。」
ポーカーフェイスの彼は何を考えてるのか分からない。
「怪我は？？」
「大丈夫。」
「良かった…」
ほっと胸を撫で下ろしていると
後ろからユズハが近付いてきて声を掛けてきた。
「おつかれ。」
「おう。」
2人が会話をする度に私の心はモヤモヤする。
私は思わず目を逸らした。
私がいつも一番近くにいてたはずなのに
いつの間にか彼が遠くの存在に思えてきた…。
「とにかく将企が怪我なくてよかった。
ごめん。ちょっとトイレ。」
このままいたら何故か分からないけど涙が出そうだった。
だから私は逃げ出した。
朝もそうだけど
2人はとてもお似合いだから。
4限目のチャイムがなるまで私は教室に入ることが出来なかった。
─────────────────────
放課後。
朝の登校以外は
いつも通りの時間が過ぎ
今日は彼が教室でちゃんと授業を受けてた以外は
特に何も無かった。
「おつかれー！今日はバイト早いんだよねー…」
「頑張ってね？じゃあ今日はこのまま解散だねー。」
「はあ…今度の休みカラオケ行こー！」
「いいよー。じゃあ気をつけてね！」
「行ってきまーす！」
「行ってらっしゃい！」
笑顔で見送って私も帰る準備をする。
「これ…」
すると珍しく彼から声をかけてきた。
「ん？」
「昨日借りてたノート、全部写したから」
「早いね！じゃあ今日の2限目までのノート貸すね。」
カバンの中からノートを出す。
「はい。」
「あのさ。」
「ん？」
「ユズハのこと、なんとも思ってへんから。」
「え？」
「それだけ。」
そう言って私からノートを奪って教室から出ていった。
「何も聞いてないけど…」
彼が何故そんなことを言ったのかわからない。
だけど少し嬉しい自分がいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
木葉林檎(プロフ) - Co2さん» こちらこそありがとうございます(^^)またお願いします♪ (2023年4月1日 11時) (
レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
Co2(プロフ) - リクエスト応えて頂きありがとうございました😭またお願いします(* .ˬ.)" (2023年4月1日 8時) (レス) id: d01c0621bb (このIDを非表示/違反報告)
木葉林檎(プロフ) - Mさん» ページ数の関係で次の移動先に書かせてもらいます。お時間かかりそうなのですがお待ちください(^^) (2023年3月28日 3時) (レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
木葉林檎(プロフ) - Co2さん» すみません、もし書くとしたらページ数が足りなくなりそうなので移動先に書かせてもらいますね(^^) (2023年3月28日 3時) (レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
M - 学パロの続きで少し怪我の余波が残る中リリーさんが部活でキャプテンを務めるようになりモテ始め夢主が付き合ってる事で虐められる。夢主に避けられリリーさんも悩んでいたが、ある日虐められる夢主を見つけ庇い助けられなくてごめんと慰めるみたいなお話お願いします！ (2023年3月28日 0時) (レス) id: a07b54dd9c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：木葉林檎 | 作成日時：2023年3月14日 14時
