#4 ページ10
〈K.side〉
12月24日01時20分
何が起きたか分からない。
ただ気付けば俺は病院へとやってきていた。
誰に呼び出されたのかも分からない。
ただ目の前に愛しい彼女が目を閉じて目を覚まさない。
「風斗君…ウチの娘の為に
忙しいのにこんな時間に来てくれてありがとうね…。」
彼女の母親が泣きながら俺にそう言った。
その声は少しAに似ている。
俺はまだ理解出来ていない。
「あの…Aは…？」
みんな何も答えずにただ彼女の周りを囲んで泣いてるだけだ。
「すみません。Aはいつ目を覚ますんですか？」
誰も何も答えない。
俺は彼女に近付き肩を揺らす。
「帰るで？みんな何を泣いてるんかわからんけど…
今日も朝から仕事やろ？
それ乗り越えたら25日やんか。
約束したやろ。店予約してんねん。
ほら…はよ起きて？家まで送るから」
俺は何も言わずにAの体を持ち上げようとする。
それを見た周りの人間が俺をとめた。
「離せっ！！俺はAと帰るんや！！」
暴れる俺を彼女の父親と病院の先生が押さえつける。
「風斗君っ！もう…娘は…、娘のAは死んだんだっ！！」
父親が嗚咽を漏らしながら
俺の体を後ろから抱きしめそう叫んだ。
それでも理解できない俺は
目を覚まさない彼女を前にして
膝から崩れ落ち泣き叫んだ。
彼女はちゃんと歩道を歩いていた。
それなのに居眠り運転をしていた車が彼女を目掛け歩道に突っ込んで来た。
そして打ち所悪く彼女はそのまま亡くなった。
殆ど即死だったんじゃないか…そう聞かされた。
「風斗君…Aがね鞄にこれ……。」
彼女の母親に手渡されたのは小さな箱と可愛い便箋…おそらく手紙だろう
俺は何も言わずにそれを静かに受けとった。
「鞄をね大事に抱きしめてたの…
きっとそれを風斗君に渡して欲しかったんじゃないかな…。」
取り乱している人間を見ると1人は冷静になる。
それが今はAの母親のようだ。
俺が来る前は沢山泣いてたようで
目は凄く腫れ上がっていた。
だけど俺はそれを受け取って
「アホか…！こんなんいらんわ……！
いらんから……頼む…！頼むから…、帰ってきてくれや…ｯ…！！」
俺はマネージャーが迎えに来るまでその場でただひたすら泣き喚いていた。
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木葉林檎(プロフ) - Kuraさん» 遅くなりすみませんm(*_ _)mこちらこそリクエストいただけてありがとうございました！ (3月4日 6時) (
レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
Kura(プロフ) - リクエストありがとうございました！とっても素敵なお話でキュンキュンしました💕 (2月8日 21時) (レス) id: 1c73b17f59 (このIDを非表示/違反報告)
木葉林檎(プロフ) - そらさん» ありがとうございますm(*_ _)m今後ともよろしくお願いします(*^^*) (1月29日 16時) (レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - リクエスト書いて頂きありがとうございました。最高で､素敵なお話でした。忙しいとは思いますがこれからもお話楽しみにしています。🙇🏻♀️ (1月27日 22時) (レス) id: 794dd15670 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - 木葉林檎さん» 大変申し訳ございませんでした。再開された際もしよければお願いいたします。 (1月21日 8時) (レス) id: 1458cfae01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木葉林檎 | 作成日時：2023年12月29日 2時
