#4 ページ46
泣いちゃダメだ。
もうすぐ撮影が始まるのだから……。
「A…どうしたの？」
我慢してるはずなのに私はいつの間にか机を叩いて立ち上がっていた。
「いいよねマリは芝さんに可愛がられて
沢山話しもできるんだから……！」
「ちょ、落ち着いてよ…？」
「私なんか話しかけてもいつも避けられてるし
距離まで置かれて…
芝さんが好きなのは私なのにさ…！
芝さんも芝さんだよ…！
マリが好きならそう言えばいいのに、
そしたら私も頑張って声なんか掛けたりしないのに…！！」
「ねぇ、A？」
「やめて！マリも気付いてたんでしょ！？
私がいくら好きでも彼が私に振り向かないことを…！
それなのに茶化すよな真似して…！
もう酷いよ…つらいよ！！」
こんな事マリに言うべきじゃない。
わかってる。八つ当たりでしかない。
だけど溢れた思いは抑えきれなくて
私はいつの間にか酷い言葉を並べていた。
「……違うよA…、芝さんは……」
「もういい！！聞きたくない！」
私はそのまま楽屋から飛び出してしまう。
「待ってA！」
廊下に出てもマリは追いかけてくる。
「今はほっといて！ちゃんと撮影の時間には…戻るから！」
「違うの……、ねぇ聞いて…？」
私はマリの手を振り解きそのまま後ろも振り向かずにその場から離れた。
＊＊＊
「そろそろ本番だ……戻らなきゃ…」
時間ギリギリまで私は別の階の個室トイレに篭っていた。
そのままスタジオに向かうと
相方のマリもさっきまで泣いていたのか赤い目をしていた。
「ねぇ……A？」
「もう本番だよ…。私情は持ち込まないで。」
私がそう言うと彼女もカメラの前だけは普段通りに仕事をこなした。
私もいつも通りに自分が出来ることをする。
そして撮影が終わりスタッフに、お疲れ様ですと声を掛けられる。
私達はいつも通り挨拶を終えて廊下に出た。
「…楽屋きて？」
マリにそう声をかけられて私は首を横に振る。
「先に戻りなよ。私もあとから戻るから……」
「お願い。一緒に来て…？」
「…やだ…」
嫌だと言ったはずなのに彼女は無理に私の手を引っ張っていく
「やだってば…！」
「いいから！！」
彼女の力は先程よりも強く振り払うことが出来ない。
こんなに力があるなんて知らなかった…。
私は無理やり楽屋の中に放り込まれた。
「ちょっと、離して……！」
そう言った私の動きは止まる。
何故なら目の前に彼がいたからだ。
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木葉林檎(プロフ) - Kuraさん» 遅くなりすみませんm(*_ _)mこちらこそリクエストいただけてありがとうございました！ (3月4日 6時) (
レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
Kura(プロフ) - リクエストありがとうございました！とっても素敵なお話でキュンキュンしました💕 (2月8日 21時) (レス) id: 1c73b17f59 (このIDを非表示/違反報告)
木葉林檎(プロフ) - そらさん» ありがとうございますm(*_ _)m今後ともよろしくお願いします(*^^*) (1月29日 16時) (レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - リクエスト書いて頂きありがとうございました。最高で､素敵なお話でした。忙しいとは思いますがこれからもお話楽しみにしています。🙇🏻♀️ (1月27日 22時) (レス) id: 794dd15670 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - 木葉林檎さん» 大変申し訳ございませんでした。再開された際もしよければお願いいたします。 (1月21日 8時) (レス) id: 1458cfae01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木葉林檎 | 作成日時：2023年12月29日 2時
