#3 ページ45
別の日。
私はマリより先にテレビ局へと到着していた。
マリはピンでの仕事で、それが終わり次第こちらにやって来るようだ。
私は芸人としての仕事もそうだが
有難いことに最近はドラマなどに少しだけ出してもらっている。
今日はこの間とは違い私達の楽屋も用意されていた。
自分の楽屋に向かっている最中に、彼と廊下ですれ違う。
「あ…芝さん…！お疲れ様です！」
私がそう声をかけると私の姿を確認したあと
「…あぁ。お疲れ。」
それだけ言ってそのまま歩いて行ってしまう。
マリがいる時はいつも立ち止まってくれるのに
やっぱり私は嫌われているのか…。
胸の奥がズキンと傷んだ。
「あ、あの…」
よせば良いのに私は思わずもう一度芝さんに声を掛けていた。
「ん…？」
私の方を見ずに返事が返ってくる。
そのあとの言葉を特に用意してる訳では無い
「…えっと……」
「何も用事ないなら行くね、」
目が泳いでしまう。
だけど何か言わないと…！
「頑張ってください…！」
思わず声が震えていた。
「ありがとう」
彼はそれだけ言ってそのまま自分の楽屋へと戻って行った。
手足が震えている。
恋愛経験がない私にもわかる。
あー…脈ナシだ。
それどころか凄く避けられているのもわかるし
嫌われている……。
私は深いため息をついて私自身も自分の楽屋へと再び向かった。
＊＊＊
仕事が終わってベットの上で考える。
私にだけ素っ気なくてこんなにも距離をあけられて避けられているんだもの……。
いつまでも勝手に好きでいちゃダメだよ…。
毎回そう思いながら涙で枕を濡らす。
いっその事、告白してハッキリと嫌いだと言われ振られれば
私も彼のことをきっぱり諦められるかもしれない…。
「はは…振られるとわかってて告白するのか…
それもまた辛いなぁ……。」
笑ってるのか泣いてるのか自分でも分からない…。
だけど前を進むにはそれしかないと
私自身も腹を括るしかなかった。
だけど廊下ですれ違ったあの日から全くと言っていいほど
仕事も被らなければ、すれ違う事すらもない。
「ねぇ、マリ……？」
「んー？どうしたのー？」
楽屋で二人きりでマリはスマホのゲームをしながら私に返事を返す。
「あのさ…最近、芝さんのこと見かけた……？」
「え？芝さん？
芝さんならちょこちょこ会うけど？
一昨日だって同じ局内だったでしょ？」
私は言葉を無くしてしまう。
そっか…そこまで会いたくないんだ私に……。
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木葉林檎(プロフ) - Kuraさん» 遅くなりすみませんm(*_ _)mこちらこそリクエストいただけてありがとうございました！ (3月4日 6時) (
レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
Kura(プロフ) - リクエストありがとうございました！とっても素敵なお話でキュンキュンしました💕 (2月8日 21時) (レス) id: 1c73b17f59 (このIDを非表示/違反報告)
木葉林檎(プロフ) - そらさん» ありがとうございますm(*_ _)m今後ともよろしくお願いします(*^^*) (1月29日 16時) (レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - リクエスト書いて頂きありがとうございました。最高で､素敵なお話でした。忙しいとは思いますがこれからもお話楽しみにしています。🙇🏻♀️ (1月27日 22時) (レス) id: 794dd15670 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - 木葉林檎さん» 大変申し訳ございませんでした。再開された際もしよければお願いいたします。 (1月21日 8時) (レス) id: 1458cfae01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木葉林檎 | 作成日時：2023年12月29日 2時
