#5 ページ41
〈S.side〉
俺の好意を嫌だとは感じてないようだ。
それだけで凄く嬉しい。
仕事中じゃないオフの彼女を見たのはこれが初めてだけど
やっぱり俺は彼女が好きだ。
「あ、あの…？」
「ん？」
「友達とよくいくお店があるんですけど、パスタのお店……。
そこなんてどうですか？」
「あ、いいよ！ごめんね。提案してもらっちゃって…。
今度もし又デートしてもらえるなら
俺が全部計画立てとくから。」
彼女は少しだけ目を丸く見開いて俺を見ると
「…はい、」と小さく答えて目を逸らされた。
だけどそんな彼女はまた少し頬が赤くて
本当に可愛くてそのまま抱きしめたくなる。
彼女に紹介されてやってきたのは
女の子が好きそうなオシャレなお店だった。
一応、半個室になっていて、一つ一つカーテンで仕切られている。
「なんでも好きなもの頼んでね。
さっきのお礼も兼ねて今日は俺が奢るから」
「え？そんな…」
「いいから、ねっ？」
彼女は、ありがとうございます。と俺が大好きな笑顔でお礼をくれた。
「はあ…」
「…どうしました？」
「ごめん。やっぱ俺Aちゃんが好きだなって。」
彼女は恥ずかしそうにメニューで顔を隠す。
その仕草がたまらなく愛おしい。
付き合ってる訳でもないのに
俺はこの子を心から守りたいと思った。
パスタが届き2人で楽しく会話をしながら食べ終わると
本当はもっと一緒にいたいが
その気持ちを抑えて彼女を駅まで送ることにした。
「芝さん…あの…今日は楽しかったです。」
「うん、俺も楽しかった。ありがとね、」
手を上げてその場を去っていこうとする彼女が改札を通る前に足を止めた。
「どうしたの？忘れ物？」
彼女は何も言わずに戻ってくる。
「ん、どうした？」
「あの…もう少しだけ……
その……一緒にいてもいいですか？」
思ってもみなかった言葉を彼女はくれる。
「え……っと…」
「ごめんなさい、やっぱり…」
彼女が行ってしまう前に俺は手を掴んで止める。
「寒くないならもう少しだけ散歩する…？」
彼女は嬉しそうに「はいっ。」と答えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
木葉林檎(プロフ) - Kuraさん» 遅くなりすみませんm(*_ _)mこちらこそリクエストいただけてありがとうございました！ (3月4日 6時) (
レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
Kura(プロフ) - リクエストありがとうございました！とっても素敵なお話でキュンキュンしました💕 (2月8日 21時) (レス) id: 1c73b17f59 (このIDを非表示/違反報告)
木葉林檎(プロフ) - そらさん» ありがとうございますm(*_ _)m今後ともよろしくお願いします(*^^*) (1月29日 16時) (レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - リクエスト書いて頂きありがとうございました。最高で､素敵なお話でした。忙しいとは思いますがこれからもお話楽しみにしています。🙇🏻♀️ (1月27日 22時) (レス) id: 794dd15670 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - 木葉林檎さん» 大変申し訳ございませんでした。再開された際もしよければお願いいたします。 (1月21日 8時) (レス) id: 1458cfae01 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：木葉林檎 | 作成日時：2023年12月29日 2時
