#2 ページ38
私はとある美容院で働く美容師だ。
いつもはもう少し遅い時間まで営業しているのだが
何故か今日に限って一緒に働くスタッフやアシスタントの人達が
午後から用事があったり…
風邪をひいたりと、そんな事が重なり
いつもの営業時間よりも時間を短縮して今日は早めに終わらせることになった。
店を閉めるのは店長か、1番長くここで働いている私のどちらかだ。
そして店長も今日は午後から別の仕事があって
今日は私が閉店作業をしていた。
店の扉に鍵をかけた瞬間だった。
「あれ？今日はもう終わり？」
聞き覚えのある声が聞こえて私は振り返る。
「あ、芝さん！」
「ごめん…予約無しに来ちゃったから…」
困った顔して彼は笑う。
「久しぶりですねっ！」
私は笑顔で返したあと
「そうなんですよ、今日ちょっとスタッフと数が少なくて…」と言いつつ私は彼の髪を見る。
忙しくて予約も儘らないのだろう、いつもテレビで見てる髪型ではなく
前髪を下ろしている彼は
髪が伸びきっていてセットもしずらそうだった。
私はゆっくり手を伸ばして彼の髪を触る。
「んー…伸びてますね、」
「あ…うん。」
彼は良いお客さんだ。
せっかく来てくれたのにそのまま帰らす事が出来なかった私は掛けていた鍵を開けて
「良かったら切らせてください、個人的に！」と笑顔で伝えた。
個人的に切らせて欲しいと言うのは
お互い気を遣わなくて良いかなと思っての配慮の言葉だった。
「え？いいの？」
「はい、今日はお客さんと言うよりは
私の練習としてってことで！」
「ありがとう……」
彼は戸惑いながらも嬉しそうに中に入る。
「お客さんが開いてると勘違いして来ないように鍵閉めても平気ですか？」
「あ、うん。」
表の電気は消したまま奥の電気だけをつける。
「じゃあそこに座ってくださいっ。」
BGMも何も無い店内で自分のハサミと水が入ったボトルを用意する。
「ごめんね、無理に切ってもらって…、」
「いいえ、気にしないで下さい。
それより今日はお客様と言うより
友達感覚で切っていきますね？
流石にこんな感じで料金も取れないですし…」
「いやいや、無理言って切ってもらってるしお金は払うよ！」
「だめです！今は営業中じゃないんです、ねっ？」
「そっか…わかった！」
彼も踏ん切りがついたように、そう言ってくれた。
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木葉林檎(プロフ) - Kuraさん» 遅くなりすみませんm(*_ _)mこちらこそリクエストいただけてありがとうございました！ (3月4日 6時) (
レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
Kura(プロフ) - リクエストありがとうございました！とっても素敵なお話でキュンキュンしました💕 (2月8日 21時) (レス) id: 1c73b17f59 (このIDを非表示/違反報告)
木葉林檎(プロフ) - そらさん» ありがとうございますm(*_ _)m今後ともよろしくお願いします(*^^*) (1月29日 16時) (レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - リクエスト書いて頂きありがとうございました。最高で､素敵なお話でした。忙しいとは思いますがこれからもお話楽しみにしています。🙇🏻♀️ (1月27日 22時) (レス) id: 794dd15670 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - 木葉林檎さん» 大変申し訳ございませんでした。再開された際もしよければお願いいたします。 (1月21日 8時) (レス) id: 1458cfae01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木葉林檎 | 作成日時：2023年12月29日 2時
