#4 ページ32
〈T.side〉
彼女が倒れたあの日から時間があれば毎日でも会いに行っていた。
彼女は上手く話せないようだが
俺を見るとすごく嬉しそうに笑う。
その場はこらえるが1人になるとどうしても涙が溢れてくる。
なぜ俺は彼女がこうなる前にもっと早く気付いてあげること出来なかったのだろうか…。
もっと一緒にいれば彼女の異変に気付けた筈なのに。
後悔しても遅いことはわかってる。
だけど俺は何度も自分を責めていた。
「くるまくん…？」
彼女の母親が病室の外にいた俺に声をかけてくる。
すぐに涙を拭って俺は「はい、」と返事を返した。
「娘のために毎日来てくれてありがとう…。
でももういいのよ？大変でしょ…？」
「いえ、俺がAさんの傍にいたいと思っているので…。」
「でもね…、Aも貴方が幸せになることを1番に考えてると思うわ…、
あの子いつも自分のことより他人のこと優先するような子でしょ…？」
「っ、はい…。」
「それに…お医者さんに言われた通りに、そんなに長く生きれないって…。
若いだけに進行は早いからって…
この間余命が3年だったのが、1年になって…
次は半年って…
どんどん短くなっていくんだもの……。」
俺はなんて声をかければいいのか分からず黙ってしまう。
「だからね、くるまくん……？
貴方ももう娘のことは忘れて前に進んでくれて良いのよ…？」
「すみません…。また明日。」
俺は頭を下げてその場を去った。
例え明日地球が滅ぶとしても
俺は君が生きているのならその間の時間を一緒に過ごしたいと思っているから。
＊＊＊
「それでさ、俺全部セリフとんじゃって焦ったよ！」
俺が話す話を彼女は微笑んで聞いてくれている。
「あーもうこんな時間かそろそろ行かなきゃ…、
明日もまた来るからね！」
そう伝えると彼女は何かを思い出したように
俺になにか伝えようと目でなにか訴えて来る。
「ん…水？水飲むの？」
首をゆっくり横に振る。
どうやら引き出しの中を開けて欲しそうだ。
「開けていいの？」
彼女に許可を取り中を開けると小さな紙袋が入っていた。
「これ、俺に？」
彼女は嬉しそうに笑う。
中を開けるとお守りがふたつあった。
ピンクと青色でおそらく青色を俺にくれるようだ。
「もらっていいの？」
俺がそう訊ねるとAの母親が病室へやってきて
「あ、くるまくん。
そうそう、これAが買ってきて頼んだのよね、」
「そうなんですか…？」
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木葉林檎(プロフ) - Kuraさん» 遅くなりすみませんm(*_ _)mこちらこそリクエストいただけてありがとうございました！ (3月4日 6時) (
レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
Kura(プロフ) - リクエストありがとうございました！とっても素敵なお話でキュンキュンしました💕 (2月8日 21時) (レス) id: 1c73b17f59 (このIDを非表示/違反報告)
木葉林檎(プロフ) - そらさん» ありがとうございますm(*_ _)m今後ともよろしくお願いします(*^^*) (1月29日 16時) (レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - リクエスト書いて頂きありがとうございました。最高で､素敵なお話でした。忙しいとは思いますがこれからもお話楽しみにしています。🙇🏻♀️ (1月27日 22時) (レス) id: 794dd15670 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - 木葉林檎さん» 大変申し訳ございませんでした。再開された際もしよければお願いいたします。 (1月21日 8時) (レス) id: 1458cfae01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木葉林檎 | 作成日時：2023年12月29日 2時
