#7 ページ42
「ヤス君？」
彼は何も言わずに私を持ち上げて横向きに馬に乗せた。
そしてその馬に跨り私が落ちないようにしっかりと掴んでくる。
「え？係員さんに怒られるよ…！」
「ちゃんと話したよ。」
彼は爽やかに笑う。
「では動かしますねー。」
係員の人がそう言うとメリーゴーランドが動き出す。
「きゃ…！」
「大丈夫。俺が支えてるから。」
思ったより顔が近くて恥ずかしくなる。
「なに？照れてんの？」
「…だって…白馬の王子様みたいなんだもの…。」
「ははっ。ちょうど今乗ってるのも白馬だしな？」
「狙ってた？」
「さぁ…？」
私達が笑ってそんな話をしていると
外の方からこっち見てー！と声が聞こえる。
どうやら2人はメリーゴーランドには乗らずに
私達を見て笑ってる。
「写真撮ったから後で送ってあげるねぇ！」
彼は笑いながら手を振る。
「もう、ヤス君…！王子様は私だけしか見ちゃダメなんだよ！」
私が冗談で笑ってそう言うと
「お前以外見てねぇよ。」
耳元でそう囁かれて
先程可愛い寝顔で寝てた人とは思えないギャップにやられてしまう。
「いかないでね。
どこに居ても私だけを見てて…？
私もヤス君以外見てないから…。」
「…やべ……誰もいなかったらキスしてたわ。」
私達はメリーゴーランドが止まるまでの間、二人だけの時間を過ごしていた。
＊＊＊
「なんかネズミーランドの姫と王子見てる気分になったわ。」
そう言ってヒカリが私に写真を送ってくる。
その写真を見ていたら
「ははっ、良い感じじゃん！
俺にも後で送ってきてよ？」
彼は私のスマホを覗き込んでそう言ってきた。
「なんか恥ずかしくなってきた…」
現実に引き戻されてた私はメリーゴーランドが見えない位置まで早足で逃げ出した。
「なんかお腹すいたねー。」
ヒカリに言われて腕時計を確認する。
「もうお昼だね？何か食べよっか、」
ヒカリが見てない間にお会計を支払ってみんなで食べて外へと出た。
そしてトイレに行きヒカリが声を掛けてくる。
「ねぇ、A？私の分払ってくれたの？」
「うん。払ったよ？今日は遊園地連れてきてくれてありがとう。」
「Aー…！」
ヒカリが私を抱き締めてくる。
「なになに…！」
「ありがとぉ…。今日すっごく楽しい…！
もう今日地球が滅びても良い！」
「それはダメだよ…」
私は笑いながら彼等の元へ戻った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
木葉林檎(プロフ) - capoeiraさん» いえ、こちらこそ楽しく書かせていただけました(*ˊ˘ˋ*)長くなってしまってすみません(￣▽￣;)またよろしくお願いします(＞人＜;) (12月29日 14時) (
レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
capoeira - 木葉さんこんにちは！リクエストを叶えていただきありがとうございました！毎回キュンキュンさせてもらってます！リクエスト内容、申し訳なかったです🙇🏻♀️🙇🏻♀️これからも楽しみにしてます！ (12月29日 12時) (レス) id: 7e00ae5964 (このIDを非表示/違反報告)
木葉林檎(プロフ) - そらさん» 少しお待ちいただくと思います、よろしくお願いします(*ˊ˘ˋ*) (12月27日 22時) (レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - コメント失礼します。リクエストで又死ネタなんですが、令和ロマンのくるまさんで同期の夢主と付き合って一年の時に夢主が急に病気で亡くなってしまって数年後にM1で優勝した時に夢主が近くに居ておめでとうと言ってるように感じたお話を出来ればお願いします。 (12月26日 7時) (レス) id: 794dd15670 (このIDを非表示/違反報告)
木葉林檎(プロフ) - ばたこさん» コメントありがとうございます♪優勝して波に乗ってますよね(*ˊ˘ˋ*)少しリクエストが溜まっているので少し遅くなりますが必ず書かせてもらいますのでお待ちくださいm(_ _)m (12月25日 23時) (レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：木葉林檎 | 作成日時：2023年12月8日 0時
