#2 ページ2
彼がMCとして立ち回ってくれる。
そんな中、私一人ずっと暗い顔のままだ。
話を振られてもつい怒った口調で返してしまう。
場の空気を悪くしたくはないけれど
嘘を付け無くなるほど苦手なのだ。
そんな私をフォローしてくれるのは相方でも無く、なかむら君でもない…
元彼の京極だけだった。
「この場所は昔賑わっていた旅館で
廃墟になってからすごく時間が経っているので
えっと…2階から上には危ないから行かないでって今カンペに出てきました…！」
彼は笑いながら説明する。
「え、そんな危険なところにどうやって泊まるん？」
なかむら君が彼にそう聞くと
「寝袋は用意してくれてるんですよね？
だそうです！」
私はそれを聞いてその場から帰ろうとする。
これは冗談でもなんでもない。私は本気だ。
3人は笑いながら私を止めた。
そして相方に無理やり掴まれたまま、建物の中へと足を踏み入れた。
＊＊＊
スタッフとカメラマンは中に入って来ず、4人のうち2人に手持ちのカメラを渡してきた。
中は薄暗く夜になればもっと暗くなるだろう
一応、懐中電灯を4人分渡されている。
「なんでこんなガチな心スポに4人だけで入って行かなアカンのよ！！」
そう言いながら相方の服を掴んで離さない。
「ちょ、A歩きにくいよ…もう少し離れて？」
「やだ！無理！」
怖すぎて目的地のフロアに着くまでは
私は相方をつかんで離さない。
今日、泊まる部屋は廃墟の中では1番綺麗なフロアらしくそこまで向かわなければいけない。
だけどその部屋があるのは2階の中央で
スタート地点からは遠い。
どこまでがオンエアされるのかわからないし
少しはちゃんとしなきゃいけないのだろうけど
そんな撮れ高なんて考えれるほど頭は回らない。
ただひたすら目を閉じて相方に歩かせる…。
「ごめん…みんな、急なんだけどさ…
俺1回、1人でスタートの位置戻っていい？」
急に相方がとんでもない事を言い出す。
せっかく1階の奥までやってきたのに
スタートラインなんて戻ったら今度こそ私は再びこの建物に入らないだろう。
「はあ！？」そう声を出すと
「いや、俺一人で行くし戻って来るから、
トイレ漏れそうなんだよ。」
泊まりで撮影するにあたって仮設トイレが用意されているが最初の撮影した地点にしかない…
「ごめん！本当、すぐ戻る！」
そう言って相方は本当に戻ってしまった。
私の手に何も掴むものがなくなって段々と恐怖と不安が大きくなってくる。
#3→←9bangairetoro.K#1(リクエスト作品)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
木葉林檎(プロフ) - capoeiraさん» いえ、こちらこそ楽しく書かせていただけました(*ˊ˘ˋ*)長くなってしまってすみません(￣▽￣;)またよろしくお願いします(＞人＜;) (12月29日 14時) (
レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
capoeira - 木葉さんこんにちは！リクエストを叶えていただきありがとうございました！毎回キュンキュンさせてもらってます！リクエスト内容、申し訳なかったです🙇🏻♀️🙇🏻♀️これからも楽しみにしてます！ (12月29日 12時) (レス) id: 7e00ae5964 (このIDを非表示/違反報告)
木葉林檎(プロフ) - そらさん» 少しお待ちいただくと思います、よろしくお願いします(*ˊ˘ˋ*) (12月27日 22時) (レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - コメント失礼します。リクエストで又死ネタなんですが、令和ロマンのくるまさんで同期の夢主と付き合って一年の時に夢主が急に病気で亡くなってしまって数年後にM1で優勝した時に夢主が近くに居ておめでとうと言ってるように感じたお話を出来ればお願いします。 (12月26日 7時) (レス) id: 794dd15670 (このIDを非表示/違反報告)
木葉林檎(プロフ) - ばたこさん» コメントありがとうございます♪優勝して波に乗ってますよね(*ˊ˘ˋ*)少しリクエストが溜まっているので少し遅くなりますが必ず書かせてもらいますのでお待ちくださいm(_ _)m (12月25日 23時) (レス) id: 6f2b6533e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：木葉林檎 | 作成日時：2023年12月8日 0時
