貴方にだけ愛されたい

#5 ページ41

『可愛い可愛いって
さっきから言うてきますけど…
Aさんの方が可愛いですからね？』

「またまた、芸人さんだからいろんな人に…」


『芸人やからいうて
誰でも口説く訳ちゃうし連絡先聞く訳ちゃうから。』

「口説くって…
今私口説かれてるんですか…？」

恥ずかしくなって顔が熱くなる。

『あ…こう言うのって
本人に言う事じゃなかったんか…』

「え…？」

『……もう言うてしもたしこの際言わしてもらいます。
初めて出会った時衝撃走るぐらい可愛いなって思って
あれからずっと仕事終わったあととか
Aさんのこと気になって…
次会った時に連絡先聞きたい思って
仕事終わりとか、今日みたいに夜の散歩とか積極的にあの噴水の近く行ってたんです…。』


「そうなんですか？」

『嫌いになりました？』


「なんで嫌いになるんですか？」

『ストーカーみたいって言われるかなって…』


「…そっか、普通はそう思うのかな…？

でも私もあの後どこかで会えないかな？とか
さっきも言った通り、無駄に本読んで時間潰してたりしてたので…
嫌いになるどころか、嬉しいのですが…」

そのあとしばらくお互い沈黙が続き…

『あの…単刀直入に言うてええかな？』

「なんでしょう…」


『一目惚れです。』


「私もじゃあ単刀直入に言いますね。」

『…っはい』

「私も一目惚れしてました。」

そのあと2人で可笑しくなって笑った。

『まだお互い知らないことばっかやし
今度の休みにデート行きませんか？』

「はい、でももちろん出会わせてくれたコタローくんも一緒ですよね？」

『うーん…2人っきりがええけど、特別コタローも連れて最初のデートはそうしましょう！』

「はい！」

次の約束をして電話を切った。


今は知り合ったばかりだけど
これからどうなるのか…


テレビをけして
私は彼との出会いをゆっくり思い出したのだった。

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