貴方にだけ愛されたい

#5 ページ25

「頭いたッ……」

朝目が覚めると
見覚えのある部屋。

いつの間にか帰ってきている。
覚えてない…
覚えてないから凄く怖い。

ベットの上、スマホを手探りで探す。

「ない……」

仕方がないのでゆっくりと起き上がる。

あれ……スマホどこやろ……カバン？

カバンを探すため、目でカバンの位置を探った。


「えっ…？」

彼がソファーで丸まって寝てる。

大きいのにソファーより小さく縮こまっている。


なんて声をかけよう……
ってかどうして私の部屋のソファーで眠ってるのだろう…

二日酔いで頭が痛かった事なんか忘れて

私はとりあえず音を立てないように
カバンを静かに取りに行った。



スマホに目をやる。
1件のメール。

【盛山になんもされてないか？
起きたらまたメール送っといてな】

リリーさんからのメールを見て
固まってしまう。

なんて返せばいいんだろう。

とりあえず返事は一旦保留にして
抜き足差し足忍び足をしながらキッチンへ向かう
コップに水道水を入れ飲み干したあと
昨日の記憶を呼び覚ます。


「あかん……なんも覚えてない…」

後半の記憶がすっぱり抜けてる。

もう一度現実に戻るために
ソファーの方を見る。

今何時……？
時計を確認すると朝の8時だ。

今日は土曜日、もしかしたら仕事かもしれないよね、
起こした方がいいよね。

そう決心して声をかけることに。

「あの…盛山さん……」

ゆっくり揺さぶりながら声をかける。

「んー……」

眠そうな目を開けて私を見た瞬間
反射的に驚いて一瞬で飛び起きた。


「うわっ！……っくりした……」

「おはようございます…」

「うん、おはよーさん…」


どうしよう…聞かないとだよね。

「あのー……昨日送っていただいたんですよね、
迷惑かけてしまったことはまず、すみません。

ただ何でこんな所で丸まって寝てはるんですか……？」


「とりあえず…これだけは誓って言えるで…。
手ぇは出してへん。

あとここで寝てたって質問はな……。
言うてええんか？」

「覚悟できてるんでどぞっ…」


「Aが甘えた声で帰らんといてって
手握って離さんかったからや。」


……聞かなきゃ良かった…。


あまりの恥ずかしさに私は布団にダイブする。

「盛山さん、もう8時です！仕事なんちゃいますの！！
はよ行き！！」


布団に潜って早口で捲したてる。


恥ずかしすぎて顔から火が出そうや！
そんなん、あたしのキャラちゃうやん！！

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