第18話 夜中 ページ21
夜。自分の部屋で寝ている私。
私の部屋は庭がある部屋だ。庭も結界内とはいえ、まさか誰かがこんな夜中に侵入してくるなんて思っていなかった。
『…ん？』
布の擦れる音がして目が覚めた。
少し体を起こしてうっすら目を開けると目線の先に人が歩いてくるのが見えた。
ぼやけてよく見えないが、その人を私は良く知っていた。
『……？せい、めいさま？』
晴「ああ、起こしてしまったか？」
『あえ？…せいめぃさまぁ……まだ一日もたってないのに…なんでぇ？』
晴「早く終わったんだよ、君を起こしてしまってすまないね」
優しく声をかけてくれる晴明様は微笑んで、私を起こしてしまったことを謝ってくれた。
でも……
『ほんとに…せいめい、さま？』
晴「ああそうだよ、なんだい？」
笑みを浮かべる晴明様はそっと私に近づいて、体を起こした私の肩に手を回した。
抱き寄せられるように肩に手を回した晴明様を、まだ少しぼやける視界で見上げた。
いつもより距離が近いと感じた私は、晴明様を疑った。
いつもの晴明様じゃないと…
『あなた、晴明様じゃ…ない』
晴「…？何を言っているんだい？私は晴明だよ？」
『ちがう……ちがう！あなた誰？』
覚醒した私は晴明様の顔をした人から距離を取ろうとした。
しかし、肩をしっかりつかまれた私はその人から距離をとることができなかった。
晴？「なぜ…なぜそんなことを言うんだい？私は晴明だろう？」
『違う！！晴明様は私にそんな顔で笑わないし、私のことは名前で呼んでくれるか、お前って言うもん！あなた誰！！』
声を荒げて肩を掴む手を振り払おうとするが、到底抜け出すことができない。
いつもなら私に何かあれば飛んできてくれる如月はなぜか来ない。
晴？「そうか、見破ったか。さすがは晴明殿の弟子といったところか」
『え？』
そう言って、私の肩をつかんで離さない人は次第に姿かたちが変わっていった。
『あ……どう、まんさま？』
道「ああ、そうだ。昨日ぶりだな、弟子の女子よ」
『あ……え？』
晴明様の姿から元の姿に戻った道満様は、私を見てにやりと不気味に笑った。
道「ああ、一目見たときからそなたは美しいと思っておったのだ。今宵の月明りでそなたがはっきりと見える。…欲しい、ほしい、もっとそなたが」
そう言いながらゆっくり私を押し倒して、覆いかぶさってきた。
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コノハナ(プロフ) - 佝僂さん、コメントありがとうございます！応援して頂いて嬉しいです！できるだけ頻繁に更新していくので待っていてください(笑) (2021年6月27日 12時) (
レス) id: df4109551a (このIDを非表示/違反報告)
佝僂(プロフ) - 初コメ失礼します！この作品に一目惚れしました(照)とても面白いので、いつまでも更新まってます！！無理しない程度にこれからも頑張ってください！ (2021年6月27日 8時) (レス) id: 1c770a8388 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コノハナ | 作成日時：2021年5月12日 13時
