第17話 ひとり ページ20
〜翌朝〜
『…ふぁ〜、おはぁよ、ござぁまぅ…』
如「おはようございます、主。まだ起きていらっしゃらないようですが」
『おきてう……』
如「そういうことにしておきましょう」
如月は朝餉の用意をしていた。私の前を通り過ぎていったような気がするが、手に持っていたのは私のご飯だろうか。
晴「起きたか、A」
『せい、めぃさまぁ…おぁようございぁす……』
晴「おい、如月。Aをたたき起こせ」
如「主に手をあげるなどできません」
晴「…チッ」
いま、舌打ちされた気がする。
どんどん口が悪くなってないか、晴明様…
『あぇ…どっか、行くんでぅか？』
ぼやける視界のなかで、晴明様はなんだかバタバタしている気がする。
いつもよりもちょっと多めの荷物を持って。
晴「帝より直々の命だ。数日空ける、修行を怠るなよ」
『空けう…？帰ってこないんでしゅか？』
晴「起きろA。舌が回っていないぞ、目も明いていない」
『んぅ…』
一応目は明いてるのに…失敬な……
晴「昨日私が言ったことは覚えているな？」
昨日……道満様の事かな
『あぃ…覚えていまぅ……』
晴「言ってみろ」
『近づぁない…』
晴「誰にだ？」
『どぉまん…さまぁ……』
晴「その言い方は気に食わないが、よし」
そう言って晴明様は背を向けて玄関のほうへ行ってしまった。
『いってあっしゃい…』
如「行ってらっしゃいませ」
バタンと音がして玄関の扉が閉まった。
如月の手には空になった膳があった。
『もう、晴明様は食べたの…』
如「ようやく起きられましたね、主。さっ、食べてください」
ぽつんと置かれた私のご飯は、なんだか寂しく感じてしまった。
いつも二人で食べていたから、一人がこんなに寂しいものだとは気づかなかった。
『早く帰ってきて…晴明様』
その後はいつも通りに修行をして、風呂に入って夕餉を食べて、いつも通り寝ることにした。
いつもと変わらない、いつもの日常を過ごした。
…はずだった。
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コノハナ(プロフ) - 佝僂さん、コメントありがとうございます！応援して頂いて嬉しいです！できるだけ頻繁に更新していくので待っていてください(笑) (2021年6月27日 12時) (
レス) id: df4109551a (このIDを非表示/違反報告)
佝僂(プロフ) - 初コメ失礼します！この作品に一目惚れしました(照)とても面白いので、いつまでも更新まってます！！無理しない程度にこれからも頑張ってください！ (2021年6月27日 8時) (レス) id: 1c770a8388 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コノハナ | 作成日時：2021年5月12日 13時
