第14話 お父さん ページ17
『……私のお父さんも晴明様みたいに、正論ぶつけてくる不愛想な人で、冷たくて、鬼みたいに厳しくて、何考えてるかわからないし、それから…』
晴「…お前は私をけなしているのか？」
どこからかピキッという音が聞こえたが知らないふり。
『それから、とっても優しくて、』
晴「！」
『さりげな〜くサポートしてくれたり、相談とかのってくれて、話ちゃんと聞いてくれるし、普段全然褒めたりとかしないのに時々ふいに言ってくれたり、本人は無意識だと思うんですけどね』
晴「…」
晴明様はじっと私を見つめて黙っている。
『そんなところがお父さんみたいだなって思って…ハハ//』
改めて言葉にすると恥ずかしいなこれ…
そう思ってうつむいた。
晴「さぽ、何とかというのはわからないが……そうか」
『はい』
そういったきり沈黙が流れる。さすがに言い過ぎたかな、怒ってるかな…
恥ずかしくてうつむいていた顔を上げて、チラッと晴明様の顔を見る。
…と、晴明様の顔はほんの少し赤くなっていた……ように見える。
晴「帰るぞ、日が落ちる」
『っ！あ、はい！！』
晴明様はスタスタと私をおいて歩き始めてしまった。
私は必死にその後ろをついていく。
晴「……A」
『はい、何ですか？』
晴「これからは私が代わりになろう」
『え？……代わりって…』
私は意味が分からず聞き返してしまう。
晴「っ…二度言わせるな、お前の父親の代わりになってやると言ったんだ」
父親の…代わり…
『！そっ、それって』
晴「…もう三度目はない、一度で聞け、馬鹿者」
晴明様の歩幅に必死についていくしかできない私には、ほんのり晴明様の耳が赤くなっている…気がした。
『…ふふ//……っはい！お父さん！！』
晴「……今まで通りでいい」
『晴明様って呼んだほうがいいんですか？…もしかして、お父さんって呼ばれるのがはずかしいとか！？』
晴「その口きけないようにしてやるぞ」
『ヒエッ！ごめんなさい！…それからあの！もうちょっと遅く歩いてもらえると助かるんですけど』
晴「……」
晴明様は何も言わなかったが、その代わり遅く歩いてくれた。
やっぱり優しいな〜
夕日に向かって歩く帰り道は、昼間の騒がしい時と違って暖かく私たちを照らした。
？「おやおやこれはこれは、晴明殿ではないか」
晴「！……お前は」
夕日を背にしたその人は私たちの前に現れた。
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コノハナ(プロフ) - 佝僂さん、コメントありがとうございます！応援して頂いて嬉しいです！できるだけ頻繁に更新していくので待っていてください(笑) (2021年6月27日 12時) (
レス) id: df4109551a (このIDを非表示/違反報告)
佝僂(プロフ) - 初コメ失礼します！この作品に一目惚れしました(照)とても面白いので、いつまでも更新まってます！！無理しない程度にこれからも頑張ってください！ (2021年6月27日 8時) (レス) id: 1c770a8388 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コノハナ | 作成日時：2021年5月12日 13時
