第13話 帰り道 ページ16
如「主？」
『出家とかそんな意味はなくて、ただそういう、ファッション…自分を着飾るためのものとして切っていたので……あの、晴明様』
晴「…なんだ」
『……』
心配しないで…ではないか
『…私、髪切ること別に気にしてないですから。…その、ちょうど切りたかったし』
晴「……そうか」
『はい』
如月を挟んで背中を向き合わせている晴明様との間には、暖かい空気が流れた気がした。
――――――――――――
〜数日後〜
晴「準備はいいか」
『はい！』
晴明様のお役目の日。私はまだ半人前なので、晴明様の後ろについていくだけ。
晴「お前は私の後ろについていろ。何も話すな。できるだけ私が答えるが、やむを得ん時は声を変えるなりなんなりしろ」
『はい』
晴「私が昨日まで言っていたことは覚えているな」
『はい。私は晴明様の弟子。本日は経験を積むため、晴明様のお役目の拝見にきた。私は男！』
晴「よろしい、では行くぞ」
『はい！』
私は肩下くらいまで切った髪を一つにくくり、胸をつぶして、男子が着る服に身を包み、烏帽子をかぶり、如月に留守を頼んで出かけた。
―――――――――――――――
〜数時間後〜
お役目を終えた夕方の帰り道
基本見ているだけで特に大したことはなかったけど、、、しかし…
『いきなり話しかけられるのはびっくりしたぁ〜』
そう、晴明様が勤めている陰陽寮についた瞬間、ほかの陰陽師の人たちがいきなり話しかけに来たのだ。気を抜いていてすぐに逃げることができなかった。
あっという間に囲まれて晴明様の一喝があるまで大変だったのは言うまでもない。
晴「お前はもう少し危機感というものを覚えたほうがいい」
『そうかもしれません…』
夕方なのか、人通りが少なくなっている道を歩きながら晴明様を見る。
夕日に照らされた横顔を見上げて思う。
晴明様って、なんだかお父さんみたい…
そう思ったとたんに晴明様がピタっと立ち止まった。
晴「…おい、今…なんと言った？」
『へ？何も言ってないですけど…』
晴「いま、お父さんみたい、と…」
『えぇ！？声に出てました！？』
ちょっとうつむいた晴明様の顔がどうなっているかわからないけど、声色的には怒ってなさそう…？
晴「…どういう意味だ」
『お、お父さんみたいっていうのがですか？…あ〜、それは……私のお父さんも晴明様みたいに、』
思ったことが口から出てしまったのなら仕方がない、と思って理由をぶつけていく。
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コノハナ(プロフ) - 佝僂さん、コメントありがとうございます！応援して頂いて嬉しいです！できるだけ頻繁に更新していくので待っていてください(笑) (2021年6月27日 12時) (
レス) id: df4109551a (このIDを非表示/違反報告)
佝僂(プロフ) - 初コメ失礼します！この作品に一目惚れしました(照)とても面白いので、いつまでも更新まってます！！無理しない程度にこれからも頑張ってください！ (2021年6月27日 8時) (レス) id: 1c770a8388 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コノハナ | 作成日時：2021年5月12日 13時
