ふた鳴き ページ3
｢僕…だよ？分からないの……？｣
僕僕詐欺かな。オレオレ詐欺ならぬ。
『いや、本当に誰ですか？』
そんな、と言って、半泣きになる黒髪高身長の男。
泣きたいのはこっちですが。
｢真冬…だよ？｣
は？
『なんで、真冬の名前を知ってるんですか？まさか……ストーカー？』
怖いんだけど。何？こわ。
｢すと…？何それ。てゆーか、僕、今日誕生日？だよ？なんでそんな扱い酷いの？｣
なんで、真冬の誕生日…
『…ねぇ。』
信じられないけど。
｢ん？なあに？ご主人様。｣
信じたい。
『本当に、真冬…なの？』
もしそれが本当だったなら、私は孤独ではないから。
｢だから、さっきからそう言ってるでしょ？｣
『本当にｯ？』
｢うん。｣
真冬が、戻ってきた…？
その言葉に私は何も考えられなくなった。
｢てゆか、寒いから家入れてよ。｣
『あ、うん。ごめんね。』
そうだよね。秋だもんね。
ガチャ
『…ただいま。』
｢おー。なんか久しぶりー。｣
真冬？がはしゃいでる。
『お風呂、入れてくるね。』
真冬の為に。
｢えー…僕、お風呂嫌いなんだよねぇ……ほら、僕猫だし。｣
そこで私は止まった。
『お風呂が、嫌い……？』
｢うん。なんで？前からじゃん。｣
何、この"人"。
『……あんた。誰よ。今すぐ出てって。』
｢な、え？どうしたの、ご主人さ｣
こいつ、往生際の悪い。
『どうしたもこうしたもねえよ。お前、真冬の名前を騙ったな？』
いつもより、語気が荒くなるのが自分でもわかる。
｢な、なんでそんなこと…｣
『真冬は……私の真冬は、お風呂が大好きだったんだよ。』
真冬は少し変わっていた。
猫なのに、犬のようにいつもベタベタしてきて
。
猫なのに、あんまり煮干とかは好きじゃなくて。
猫なのに、
お風呂が大好きだったんだ。
｢ｸｿｯ…ばれちゃ、仕方がねぇ。なるべく穏便に事を運びたかったんだかな？！お前が悪いんだｯ｣
そう言って、押し倒される。
『い、いやっ！！』
必死に抵抗するけど、やはり男には力はかなわない。
｢……だって、"俺"があんなに愛していたのに…！いつもたかが猫に全てを捧げて…!!!｣
たかが？
『たかが…だって？』
私の……私の真冬を、"たかが"だって？
『はっ。笑わせるなよ。あんたらみたいな最低な"人間"よりも、私は何倍も真冬を愛していたよ。家族だったんだよ。』
｢あ"？知るかよ！｣
ギリギリと手首を締め付けられる
『いっ…！』
痛い。怖い。
誰か、助けて…！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
妖狐（メス）(プロフ) - 瑠理菜さん» ごめんなさい、作者の都合で途中で終わってしまったんです…… (2019年8月16日 14時) (
レス) id: e2e1cb6c3e (このIDを非表示/違反報告)
瑠理菜 - 終わり方.........。 (2019年4月3日 13時) (レス) id: 3e7e48236e (このIDを非表示/違反報告)
miko-みこ-(プロフ) - 妖狐（メス）さん» 応援してる人にそんな事言われるなんて…天国かよ。いや、夢か？ 本当に妖狐様と会話してるなんて…こんな幸せがあっていいのか？手が震えて来た…!腕が疼くっ! ごめんなさい本当に妖狐さん好きすぎる。夜のテンションやべぇ (2018年7月29日 23時) (レス) id: 680ed7089d (このIDを非表示/違反報告)
妖狐（メス）(プロフ) - miko-みこ-さん» え、優しいかよ…私のテンション好きとか…優しいかよ…ナメクジ更新許してくれるとか……優しいかよ。 (2018年7月29日 23時) (レス) id: 3918bf993d (このIDを非表示/違反報告)
miko-みこ-(プロフ) - 妖狐（メス）さん» レスありがとうございますぅ!踊っていただけるのなら次は躍り手デビューですかね(( コメントの許可をいただけるなんて…ﾊｧﾊｧ 更新速度？その間ずっと楽しみにしていられるので大丈夫です! やっぱり妖狐様のテンション好きです! (2018年7月29日 23時) (レス) id: 680ed7089d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：妖狐(メス)@自分の名前を思い出した。 | 作成日時：2018年6月30日 22時
