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「どうしたん？」
慌てて下に降りて玄関の扉を開ける。
上からじゃ見えんかったけど、君はすごい心配そうな顔をしていた。
何か急ぎの用事かな？
「今日、体調悪かったん？」
「え？ううん、別に、」
「部活、休んだんやろ？」
「…あ、そうか、それや！」
「？」
手帳を見たときの何か抜け落ちているような感覚。
俺、今日部活あったんやった。
「今日、進路指導の話してて、終わったら何かしやなアカンかった気がしててんけど、思い出せんくて。そのまま帰ってきたんよ。」
あぁ、そうか、部活や…。
すっきりしたのと同時にちょっと部活のみんなに申し訳ない。
言うても個人作業ばっかりではあるけど。
後でLINEして謝っとかなきゃ。
「神ちゃん、もしかして、こういうこと、ようあったん？」
「え…んー、」
そういえば君にはこんな症状の話はしていない。
というか、親と先生以外は知らん。
何て言えば君が心配しすぎることがないのか、少し話す言葉に悩む。
「次何するんやっけ、はちょっと増えた、かな…」
でも、正直に話すしかなかった。
どうにか繕ったとしても、どうせ後でバレる。
というか、隠してることも忘れちゃうやろうし。
「そっか。」
案の定悲しそうな顔をするから、すごい申し訳ない気持ちになる。
心配させたいわけじゃなかったんやけどな。
でも、逆の立場やったら、俺は君のことが心配でたまらない。
例え近所のお兄ちゃんでも、記憶がなくなっていくと言われたら変に心配してしまうやろう。
と、思わせてほしい。
君が俺のことを心配してくれている。
そう思うと、少し、嬉しくなってしまう自分がいるから。
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作者名：roma-tan | 作成日時：2021年1月9日 21時
