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「照史、何かいらんこと言うたやろ。」
「言うてへんて！さっきからずっと言うてるねん。帰る家がないんやって。」
「やからって勝手に城に置けるかは決められへんってちゃんと言うたらなアカンやろ？」
「でも、このまま放りだすのもちゃうと思わへん？」
「お前なぁ、」
「そや！淳太、この子見とくか、城で許可取りに行くかどっちがええ？」
「は？」
「ほら、2人おったら片方はこの子見といて、ってできるやん！」
「おま、ほんまそういうところ直せよ？」
「ん？」
「俺もいつまでもそういう照史の顔に負けると思っとったら大間違いやからな。」
「えー、ええやん！お願い！」
両手を顔の前に合わせてお願いする。
「お願いします！」
雰囲気を察したのか、その子も隣で頭を下げた。
すると、淳太が何かに気づいたかのような顔をした。
「ちょっと、胸元見せてくれるか？」
「え？あ、はい。」
その子が着物を少し脱ぐと、胸元に不自然なあざのようなものが現れた。
それは、あざと言うよりかは、何かの模様のよう。
「これ・・・」
「お前、人買いのとこおったんか？」
小さく、その子はうなずいた。
その話は俺もさっき聞いた。
でも、まだ淳太にはそこまで話してない。
「なんで、」
「烙印押されたのに、よう逃げてきたな？」
淳太がそっとそのあざに触れた。
優しく、壊れ物を扱うかのように。
何を表す印なのかとか知らんかったけど、今の言葉から、この烙印は人買いの元にいたことを表すものやってわかる。
そうやったんや・・・。
じゃあ、あのあざも、
「しゃあない。聞いて来たるわ。その代わり、ちゃんとこの子守っといたれや。」
「え？あ、うん。ありがとう！」
さっきまで消極的な態度やのに、急に変わった。
それは、きっとこのあざのせい・・・やんな？
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作者名：roma-tan | 作成日時：2017年11月23日 22時
