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「とも?」
「はい、」
僕がそんな変化をあなたに感じて少しした頃です。
「流星様、なんか、お前に言うたりしてへんか?」
誰もいない廊下で照史様に聞かれたのです。
「何をですか?」
「いや、特に何ってわけちゃうんやけど。」
普段はモノをズバズバ言う方なのに、とても歯切れが悪くて。
僕がそれを不思議に思っていると、渋々といった顔で照史様がおっしゃいました。
「最近、流星様、様子が変わられたような気ぃしてな。」
どこが、どう、とはおっしゃいませんでしたが、僕は一瞬で気づきました。
照史様も、僕と同じ様なところに違和感を感じられてるんだろう、と。
照史様は僕を助けてくれた人です。
周りからはいつも一緒にいる淳太様の方がしっかりされてて、照史様は少し雑だと言われていますが、それは違います。
照史様の方がずっと繊細なところがおありなのです。
こうやって人の変化に気づくのだって、いつも照史様の方が先です。
「何も聞いてへんのやったらええねん。俺の思い過ごしかもしらんし。」
そう言って、照史様は眉をハの字して笑われました。
照史様が思い過ごしかもしれない、と言って本当に思い過ごしだったことはありません。
今回だってきっとそうです。
だって、僕もそう思っているのですから。
ただ、僕にも、その変化が何か、と明言することができなかったので、照史様の問いかけにはお答えできませんでした。
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作者名:roma-tan | 作成日時:2017年11月23日 22時