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「とも、ええか?」
それが不安なのでしょうか。
最近、流星様と共に過ごす夜が増えました。
こんな僕の身で流星様が安心できるのなら、いくらでも使っていただいて構いません。
そう思っていました。
じゃなければ、その誘い文句にも乗りません。
「っぁ・・・やぁっ・・」
優しくこの身を抱きしめてくれる、その腕をぎゅっと握ると、必ず流星様はふっと柔らかく笑います。
そして、僕の耳元でそっと囁くのです。
「とも、好きや。」
僕は、朱いその唇から零れる言葉にただ、溺れることしかできませんでした。
「ともは?」
それでもあなたが掛けてくれる問いかけに答えたい僕は、その唇に自分のものを重ねるのです。
何度唇を重ねても、その度に僕の心は痺れていくようです。
「ほんま、自分もタチ悪いな?」
僕からすれば、怪しく笑う流星様の方が何百倍もタチが悪いのに。
そんな顔を前にして、僕に何ができるのでしょう?
ただ、流星様に身を任せ、踊り乱れる。
それが唯一僕にできることでした。
「ごめんな。」
流星様はいつも、その行為が終わると僕に謝ります。
なぜ謝られているのか、わかりません。
むしろ、僕がちゃんと流星様を満足させられたのか、と不安になっているのに。
流星様が何を謝ることがあるのでしょう?
いつもはそんな疑問を抱きながら眠るだけでした。
「流星様?」
でも、思わず名前を呼んでしまったのは、それだけでは終わらなかったから。
流星様が、そっと僕の頭を撫でたのです。
さっきとは違う、優しい笑みを浮かべながら。
それが、流星様にとって自分を変える境界線やった、ということに気が付いたのは、この時から随分と後のことでした。
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作者名:roma-tan | 作成日時:2017年11月23日 22時