6話 道枝side ページ6
外も暗くなり始めた頃、俺は一人、廊下にいた。誰もいなくなった教室は意外と好きで、落ち着いていられる。あの煩い彼奴らがいないからだろうけど。
「ふぅ、、」
ポタポタと静かな廊下に、水が滴り落ちる音が響く。蛇口を閉め、雑巾を思い切り絞る。その雑巾を持って、教室へ戻る。
在り来りな悪口が沢山書かれた、恭平の机の上をゴシゴシと、無心で拭いていく。握力がないからか、机の上はかなり湿ってしまった。
それでも、油性のペンで書かれた悪口はなかなか消えてくれない。何で平気でこんな事が出来るんだろう。
人を傷付けるのはそんなに楽しいことなんだろうか？まぁ、そんなこと一生、知りたくないけど。
「ごめんね、恭平………」
俺は弱虫だからさ、こんなやり方でしか罪滅ぼしが出来ないんだよ。
長尾みたいに、強くはいられないんだよ。
どれだけ心の中でそう思ったって、恭平に届くわけが無い。そう分かってても、行動に移すことは出来ないんだ。
『みっちー、ごめんなぁ、』
そう辛そうに笑った彼は今、何処にいるんだろう？
あの時、彼の手をちゃんと掴めていたら、こんな事にはならなかった。
もう少し、高校ライフを満喫していたはずなんだ。「友達」を作れたはずなのに。
そのチャンスを奪ったのは、紛れもなく自分で。"もう、あんな光景は見たくない。"そう願うだけで。
「っ、、ごめんなさい、恭平、＿__っ、、」
こんな狡くて、最低な俺を、誰かが罵ってくれたら、一番良いのに。
「もう、お前なんていらない」って言われた方が、潔く死ねるのに。
なのに何で恭平は、俺に笑いかけてくれるの？
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桜(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！次章も楽しんでいただけたらなと思います。これからもよろしくお願い致します！ (2020年5月5日 11時) (
レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 最高でした！このお話から初めて読ませていただきましたがとても読みごたえがあり楽しかったです。また桜さんのお話に出会えることを願っています。 (2020年5月4日 13時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 明日香さん» コメント、ありがとうございます！これからも頑張って更新するので、お付き合い下さいませ＜(_ _)＞ (2020年4月21日 16時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 毎日、更新楽しみにしています！このシリーズから読み始めたのですが、すごく読みごたえがあって大好きな作品です！更新頑張って下さい！ (2020年4月21日 13時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - みあさん» ありがとうこざいます！！できるだけ毎日更新していくので、どうか最後までお付き合い下さい！！コメント、ありがとうこざいます！ (2020年4月11日 8時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜 | 作成日時：2020年4月9日 14時
