検索窓
今日:5 hit、昨日:11 hit、合計:33,956 hit

40話 晶哉side ページ40

「俺は、寂しかった。何で、会ってくれへんのやろって、ずっとずっと思っとった。」



みっちーの目に溜まっていた涙が零れる。綺麗な白い肌に、キラキラと零れる涙はよく映える。




頼りない声でそう言うみっちーは、どんな思いを抱いて、中学生活を送っていたのか。



きっと「友達」に恐れながら、過ごしたのだろう。そうさせてしまったのは、紛れもなく俺だ。



でも、あの時どうしようもなく死んでしまいたくて仕方がなかった。みっちーの前で死ねば、みっちーが苦しむことぐらい理解出来てたのに。





「俺の事、嫌いになったんかなって、恨んでんのかなって」

「ちゃうよ、、あの時の俺を見たらみっちーは、絶対に自分を責めると思ってん」



車椅子状態の俺を見たら、もっとみっちーは自分を責め続けるだろう。そうじゃなくても、ここまで自分を責めているのだ。




「あのまま、会わへんかったらみっちー、俺の事忘れてくれるかなって」



あのまま、転校していなくなってしまえば、みっちーは俺の事を忘れてくれると思った。みっちーはそんな薄情な奴じゃないのに。




「なぁ、晶哉。もう一回、友達からやり直さへん?親友やなくて、友達から」



ボロボロ泣きながらみっちーはそう言う。



「ふふっ、ええよ。やり直そ」

「次は、何も言わんと、どっか行かんといてや」

「おん、約束する」



どちらからともなく、小指を差し出す。互いの小指を絡め、指切りげんまんを交わす。



「「ははっ、!」」



自分たちのしている事が、幼稚すぎて笑い合う。



「良かったな、晶哉。みっちーと話せて」

「うん。ありがとうな、兄ちゃん。みっちーと会わせてくれて」

「ええよ、ええよ。今回は、たまたまやったし」



「にしても、みっちー。背、伸びたな」



誠也くんが、みっちーの顔を見上げる。確かに、ものすごく背が高い。前までは、誠也くんよりも全然小さかったのに。



「頭も撫でれへんわ」



誠也くんが、グッーと背伸びをしてみっちーの頭を撫でようとするが、届かない。すると、みっちーがベンチに座る。




「誠也くん。撫でて」

「っ!可愛ええなぁ、ほんま」




誠也くんがみっちーの頭を撫で回す。その可愛さを今も、変わってないな。




「みっちーが、幸せそうで良かった」

41話 道枝side→←39話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
191人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます!次章も楽しんでいただけたらなと思います。これからもよろしくお願い致します! (2020年5月5日 11時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 最高でした!このお話から初めて読ませていただきましたがとても読みごたえがあり楽しかったです。また桜さんのお話に出会えることを願っています。 (2020年5月4日 13時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 明日香さん» コメント、ありがとうございます!これからも頑張って更新するので、お付き合い下さいませ<(_ _)> (2020年4月21日 16時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 毎日、更新楽しみにしています!このシリーズから読み始めたのですが、すごく読みごたえがあって大好きな作品です!更新頑張って下さい! (2020年4月21日 13時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みあさん» ありがとうこざいます!!できるだけ毎日更新していくので、どうか最後までお付き合い下さい!!コメント、ありがとうこざいます! (2020年4月11日 8時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年4月9日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。