37話 長尾side ページ37
「ほんまに、ありがとうな」
そう言って笑ったみっちーの笑顔は、作り笑いなんかじゃなかった。
みっちーから聞いた話は、彼が友達を極端に恐れる理由となったもの。思っていたよりも、残酷だった。彼が作り笑いをしてしまうのも分かるかもしれない。
「じゃあ教室帰ろ？」
「おん。あ、俺は、ちょっと電話したいから先戻っといて。」
「うん？わかった。」
みっちーは不思議そうな顔をしていたが、無視して手を振る。
バタンと、扉が閉まる音が聞こえる。それと同時に物陰から人が現れた。電話をするなんて嘘。
「高橋くん、どう思った？」
みっちーは知る由もないだろう。まさか、話を聞いていたのが俺だけじゃなくて、もう一人いたなんて。しかもその相手は、高橋くん。
こりゃ、バレたらすんごい怒られるだろうなぁ、、
「なんか、複雑やわ。あまりにも俺と晶哉くんの境遇が、重なりすぎて」
「そうやんなぁ、俺も、思ったわ。神様も意地悪やなぁ」
神様も心底意地悪だ。そこまでみっちーを苦しめるような境遇にしなくてもいいのに。
「みっちーがちゃんと、晶哉くんと話せたら高橋くんとも話せると思うんやけどな、、」
晶哉くんと、絡まり合った糸を上手く、解くことが出来れば、みっちーは心の底から笑ってくれるだろう。
「難しいよな、友達って」
高橋くんが独り言のように囁く。友達が何なのか、俺もいまいち分からない。
しかし、少なくともみっちーにとって友情は、すぐに壊れてしまう、繊細なものなのだろう。
どうかその概念を、無くして欲しい。
そして、俺らの前で、心の底から笑って欲しい。
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桜(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！次章も楽しんでいただけたらなと思います。これからもよろしくお願い致します！ (2020年5月5日 11時) (
レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 最高でした！このお話から初めて読ませていただきましたがとても読みごたえがあり楽しかったです。また桜さんのお話に出会えることを願っています。 (2020年5月4日 13時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 明日香さん» コメント、ありがとうございます！これからも頑張って更新するので、お付き合い下さいませ＜(_ _)＞ (2020年4月21日 16時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 毎日、更新楽しみにしています！このシリーズから読み始めたのですが、すごく読みごたえがあって大好きな作品です！更新頑張って下さい！ (2020年4月21日 13時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - みあさん» ありがとうこざいます！！できるだけ毎日更新していくので、どうか最後までお付き合い下さい！！コメント、ありがとうこざいます！ (2020年4月11日 8時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜 | 作成日時：2020年4月9日 14時
