17話 ページ17
「あっ、康二くん。」
「みっちー！わざわざありがとうな。」
やっぱり、他学年のフロアへ行くのは緊張する。一個しか学年が変わらないのに、康二くんはずっと大人に見える。
康二くんの上着は、母がいつの間にか洗濯していてくれた。律儀に紙袋にまで入れて、朝置いてあった。
ほんと、母さんには頭が上がらない。
「みっちー、制服大丈夫やった？」
「うん。有岡先生に言ったら貸してくれてん。」
「なら、良かった。」
康二くんは、心から安心したような笑顔で笑いかけてくれた。どこまで、優しい人なんだろうか。
「あれ、道枝くんじゃん。大丈夫？」
制服のネクタイを限界まで緩めた、少し不良に見える目黒くんがやってきた。
あ、まただ。昨日と同じ、甘ったるい香りがする。なんか、洗剤の匂いとかじゃなくて香水的な。
目黒くんが香水でもしているのだろうか。
「どうしたの、道枝くん。急に黙って。」
「あの、目黒くんって香水付けてます？」
「え？付けてないけど。」
目黒くんは、匂いする？、と自分の周りを嗅ぎ出した。
俺の勘違いだったのだろうか。でも、今も甘い匂いはする。
「すみません、俺の勘違いやったみたいです。あ、そろそろ教室戻りますね。」
「じゃあなー、」
康二くんがブンブンと手を振ってお見送りしてくれる。それに応えて、俺も小さく手を振り返す。
「あ、匂いしない。」
あの甘ったるい香りは、消えていた。一体何の匂いだったのだろうか。
やっぱり、目黒くんの家の洗剤だったのか。
「また、今度聞くか」
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桜(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！次章も楽しんでいただけたらなと思います。これからもよろしくお願い致します！ (2020年5月5日 11時) (
レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 最高でした！このお話から初めて読ませていただきましたがとても読みごたえがあり楽しかったです。また桜さんのお話に出会えることを願っています。 (2020年5月4日 13時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 明日香さん» コメント、ありがとうございます！これからも頑張って更新するので、お付き合い下さいませ＜(_ _)＞ (2020年4月21日 16時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 毎日、更新楽しみにしています！このシリーズから読み始めたのですが、すごく読みごたえがあって大好きな作品です！更新頑張って下さい！ (2020年4月21日 13時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - みあさん» ありがとうこざいます！！できるだけ毎日更新していくので、どうか最後までお付き合い下さい！！コメント、ありがとうこざいます！ (2020年4月11日 8時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜 | 作成日時：2020年4月9日 14時
