13話 目黒side ページ13
何故か康二から「コンビニへ行こうや」というLINEがあり、二人でコンビニへ行っていた。
その帰り道。あまり人気のない道で、微かに何人かの声が聞こえた。
「なぁ、めめ。なんか聞こえへんかった？」
「うん。聞こえた。」
怖がりな康二は俺の後ろにスっと隠れる。おい、俺を身代わりにする気か。
「えっ！めめ、行くん？」
「何か、嫌な予感がする。」
俺の予感は間違っていなかった。角を曲がると、ガラの悪い四人の男たちに囲まれ、涙を流している少年がいた。
少年の制服は、ビリビリと破れていた。
「みっちー、、？」
「え？康二の知り合い？」
「俺の、後輩」
すると男たちは、少年を連れてどこかへ行こうとした。この距離でも分かるほど、彼の身体は震えていた。
その姿を見ると、ふつふつと怒りが湧いてきた。
「おにーさん。その子、泣いてるけど」
気付けば、彼奴らの前に立ち塞がっていた。
「あ？お前、こいつの知り合い？」
「うーん、まぁ正確に言うとこの子の後輩」
そう言って康二を指差すと、少年はハッとした表情をした。
「取り敢えず、その手離してよ。じゃないと警察来ちゃうよ」
「は？お前、通報したの？」
「お前ら、こいつ殴れ」
ボスと思わしき奴の指示で他の男たちが殴りかかってくる。
「めめ、あぶない！」
ピーポーピーポー
康二の叫びと共に聞こえたのはパトカーのサイレン。男たちは真っ青な顔をして、
「っ、覚えてろよ！」
小学生のような言葉を放ち、去っていった。
「なんだ、よわ」
通報なんかしていない。たまたま、通りかかっただけ。まぁ、サイレン鳴らしてくれてなかったら危なかったかも。
「大丈夫？みっちー、だっけ？」
出来るだけ優しい声で話しかける。未だに身体は震えている。そりゃそうか、あんな目にあったんだ。
「ほら、みっちー。俺の上着着とき。」
「………康二くん」
「大丈夫、大丈夫。もう彼奴らいーひんで。」
康二は、震える彼の体をめいいっぱい抱きしめた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 191人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Aぇ!group」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます！次章も楽しんでいただけたらなと思います。これからもよろしくお願い致します！ (2020年5月5日 11時) (
レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 最高でした！このお話から初めて読ませていただきましたがとても読みごたえがあり楽しかったです。また桜さんのお話に出会えることを願っています。 (2020年5月4日 13時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 明日香さん» コメント、ありがとうございます！これからも頑張って更新するので、お付き合い下さいませ＜(_ _)＞ (2020年4月21日 16時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 毎日、更新楽しみにしています！このシリーズから読み始めたのですが、すごく読みごたえがあって大好きな作品です！更新頑張って下さい！ (2020年4月21日 13時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - みあさん» ありがとうこざいます！！できるだけ毎日更新していくので、どうか最後までお付き合い下さい！！コメント、ありがとうこざいます！ (2020年4月11日 8時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜 | 作成日時：2020年4月9日 14時
