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1話 道枝side ページ1

「ははっ、あいつ馬鹿じゃねぇの笑笑」



教室に響く、気分の悪い笑い声。人を心底馬鹿にしたような、そんな声。



その声を聞きたくなくて、教室を飛び出る。出る瞬間、見えたのはこちらを見つめる恭平の目。



感情の読めないその目はまるで俺の責めてるかのように見えてしまって。



恭平の手にはボロボロになった教科書が握られていた。俺は最低な奴だ。



新学期の頃はよく行動を共にしていたというのに、彼が虐められ始めると、途端に他人のフリをした。




「みっちー、そんなに急いでどうしたん?」



聞き馴染みのある声が後ろから聞こえる。この声は、



「長尾、、」



ゆっくり後ろを振り向くとやはり、高校生にしては低めの背をした彼がいた。



「なんか、忘れもんでもしたん?」



分かってるくせに。俺が恭平を避けて教室から出てきたことぐらい。こいつは、何もかも分かってるのに、わざと俺に尋ねてくる。



そんな長尾が苦手だった。全てを見透かれてしまうようで。俺が犯してしまった過ちも、知られるような気がして。



「別に。長尾には関係ないやろ、、」

「ま、せやなぁ。じゃあ、お先に教室戻るわ」



冷たく突き放しても、長尾はあっけらかんとしている。長尾はきっと、怖いものなんてないのだろう。



だから、虐められている恭平に話しかけることができるんだ。

2話→



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(プロフ) - 明日香さん» ありがとうございます!次章も楽しんでいただけたらなと思います。これからもよろしくお願い致します! (2020年5月5日 11時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 最高でした!このお話から初めて読ませていただきましたがとても読みごたえがあり楽しかったです。また桜さんのお話に出会えることを願っています。 (2020年5月4日 13時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 明日香さん» コメント、ありがとうございます!これからも頑張って更新するので、お付き合い下さいませ<(_ _)> (2020年4月21日 16時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 毎日、更新楽しみにしています!このシリーズから読み始めたのですが、すごく読みごたえがあって大好きな作品です!更新頑張って下さい! (2020年4月21日 13時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みあさん» ありがとうこざいます!!できるだけ毎日更新していくので、どうか最後までお付き合い下さい!!コメント、ありがとうこざいます! (2020年4月11日 8時) (レス) id: 842a00e709 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年4月9日 14時

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