【wrwrd】貴方の聲を聞かせて。 (ページ12)

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第十二声ページ12

『ねぇ、ここって……』

自転車を漕ぐこと数十分、覚えのある大通りに出たと思ったら着いた場所は昔先輩と私と大先生でよく来ていた飲食店だった

「久々やん？僕の奢りやしそんな顔せっとってや」

ゾムを自転車から下ろして駐輪場に自転車を止める、さすがにここだとは思わなかった
別に嫌ではないけど……出来ればここじゃないところがいい。でも大先生なりの気遣い打倒家取っておこう

「ほら、行くで」

私はゾムと手を繋いで大先生の後ろを歩く、久々だけど内装は変わってなくて懐かしさが込上げる
スタッフも知っている人が数人いて余計に

大先生が予約してくれていたのか「予約済み」と書かれたプレートの乗ったテーブルに座る、それに便乗して私達も座ることにした

「Aちゃんカルビスやっけ？」

『うん、ゾムは何飲む？』

〈せんぶりちゃ〉

「おっさんかて。」

センブリ茶ってめっちゃ苦いお茶だよね？子供が飲んで大丈夫なのかな…

そんなことを思っていると大先生が店員さんを呼ぶ、やっぱりゾムの飲み物はセンブリ茶じゃなくてメロンソーダにしていた
そして次々と食べ物を頼んでいく。その間にもゾムがこれも食べたいと追加していくせいで注文がいっぱいになってしまった

『後で頼も？食べられなくなったらダメだし』

「せやな、あ。以上で」

店長さんが私たちの頼んだ食べ物を繰り返し確認していく、流石に量が多すぎたかな

『食べれる？』

〈らくしょう〉

『そっか』

そして食べ物を頼んで数分次々と食べ物が運ばれて机はもう置く場所が無くなっていた
でもそんなことはお構い無しというようにゾムは次々と食べ物を口に運んでいく、口に運んでから飲み込むまでが早くて目を疑ってしまう

「ゆっくり食べや」

『そんな焦らなくても…』

隣で美味しそうにご飯を頬張る姿は公園で倒れていた子とは思えないほど元気だった

流石に私もお腹がすいてきたな、私は机にあった食べ物を食べていく。やっぱりここの食べ物は全部美味しい、ハズレがない

「食ったなあー……」

『お腹痛い……』

〈にけんめやきにくいきたい〉

「こいつ２件目行く前提や、、」

あれから残さず運ばれてきた食べ物は全て平らげた(ほとんどがゾムだけど)
流石に2件目は胃袋爆発する…

『また今度ね、帰ろうか』

「そやな、先外出てて」

『わかった。ゾム行こ』