【wrwrd】貴方の聲を聞かせて。 (ページ2)

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第二声ページ2

彼の発言はクズ的な発言が多い、だがこれも彼との付き合いが長いためもう何も思わなくなった

『よくバレないでいるよね、尊敬する』

と、思ってもないことを口にすると彼はドヤっと誇らしげな顔をして「伊達に女落としてねぇよ」とウザイ声で言う

『流石クズ。』

「ありがとう」

『褒めてない』

この会話も何回目だろうか、最初こそ引いていたが今となっては扱いに慣れて上手く返せるようになるまでに至った

「もうそろそろ最後の授業終わるやん、帰るか」

『そうだね』

2人ともスマホの時間を確認して空き教室に置いていたカバンを持ち教室を出る、正直帰っても誰もいないから帰りたくないのだが……仕方ない。

「あ」

『はぁ……』とため息を着いていると大先生が歩く足を止めた、なんだと思い振り返るとスマホを片手に「ごめん今日先客おったん忘れてた」と謝ってきた

『あ、そうなんだ。わかったじゃあまた』

また明日とは言わずそのまま彼の返事を聞く前に昇降口に向かう、皆が降りてくる前に靴を履き替えて校門を出る

最寄りのコンビニでお弁当とおにぎりを買っていつも通る公園に着く、この公園の中を抜けると私の家が見えてくるのだ

『トイレ行こ。』

空き教室の埃っぽい机を使っていたせいか手が黒い炭のようなものが着いていた、汚れを落とすために公園の公衆トイレにある水道を使おうとトイレに向かった時

トイレと草木の間に子供が倒れていたのを見つけた

『え……死んでる？』

公衆トイレの匂いなのか倒れている子供の匂いなのかよく分からないが鼻にツンと来る刺激臭が漂っていた

この時私は無視して手を洗っていればいいものを何故か倒れている子供に声をかけてしまった

『ねぇ、あんた。大丈夫？』

「ぅ…」

声をかけると生きていたのか弱々しい声で少しだけ反応した
そして再び声をかけると倒れていた男の子はゆっくりと目を開けた

『あの、大丈夫？』

意識が朦朧としているのか視線が合わない子供に大丈夫か聞いてみる、すると子供はパッと起き上がり私の制服の裾を掴んで口をパクパクさせてきた

『え何？』

急に起き上がった子供に動揺しながらも男か女か分からない彼に『とりあえず家は？』と聞く
確かに私の言葉は認識しているはずなのに子供は口をパクパクさせたまま声を発さなかった

『もしかしてあんた声出せないの？』