【SAO】白雪の姫 part3

紅の殺意 1 ページ10

*キリトside*

第55層 迷宮区前

風が吹き荒れるこの場所でゴドフリーから休憩を告げられた。

地面の段差に腰を下ろす。

エイダはまだクラディールを警戒しているようで、俺の隣にぴったりと居座っている。

ゴ｢よし、食料を配布するぞ！｣

ゴドフリーから投げられた袋の中には、黒パンと飲料水が一つずつ。

中身にかっかりして深くため息をつく。

食べるの大好きなエイダは、案の定不服そうに黒パンを見つめた。

あ｢むぅ。アスナのご飯が食べたい…｣

キ｢しかた無いさ。｣

飲料水を口に含み、嚥下していく。

ちらりと視界に入ったのは食料に一切手をつけないクラディール。その口元はいびつに笑っていた。

キ｢！！｣

エイダの手からパンを取り上げ、水と共に投げ捨てる。

あ｢！？キリト君！！？｣

くそ…食べてる…！！

俺とエイダは力なく地面に横たわった。

ゴドフリーが倒れ込む視界の中で自分のHPバーに目を向けると、黄色い点滅。

あ｢ま、麻痺毒…！？｣

クラ｢クッ…クフフ…イヒヒヒ…アヒャヒャヒャヒャ｣

クラディールの甲高い笑い声が響き渡る。

ゴ｢どういう事だ…この食料を用意したのは…クラディール、お前…｣

キ｢早く…解毒結晶を…！｣

ゴドフリーが結晶を手に取ったのに気づくとクラディールはその手を蹴った。

結晶が地面に転がった。

クラ｢ゴドフリーさんよぉ。馬鹿だ馬鹿だとは思っていたが、あんた筋金入りの脳筋だなぁ！｣

クラディールが剣を引き抜く。

ゴ｢な、なにをする…｣

そしてそれをゴドフリーに向けて振り下ろした。

クラディールのアイコンはオレンジ色に変わる。

ゴ｢や、やめろ！｣

クラ｢いいか？俺達のパーティは！荒野で犯罪者プレイヤーのグループに襲われてぇ！勇戦虚しく3人が死亡！！俺一人になったものの見事犯罪者プレイヤーを撃退して生還しましたぁ！！｣

嬲るようにしてゴドフリーにダメージを与えていくクラディールの顔はいびつに歪んでいる。

そして無惨にもゴドフリーの体はポリゴンの欠片となって散ってしまった。

そして、クラディールがこちらに顔を向け、近ずいてくる。

あ｢キリト君！！｣

クラ｢よぉ。おめぇらみたいなガキのためによぉ、関係ないやつを殺.しちまったよ…｣

キ｢お前みたいなやつが、なんでKoB団に入った？犯罪者ギルドの方がよっぽどお似合いだぜ！｣

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