キタキツネ21匹 ページ21
北「で、さっきから手が進んどらんで」
数学のテキストを開いたものの、北さんから出題される問題は応用ばかりで、全くわからない。
これはいつものことだが、今回は目の前で自分の勉強に取り組んでいる北さんがいる。
カリカリとシャーペンははしらせる姿は、流石としか言いようがない。
A「なんでここで3倍角の公式を使うんですかー」
北「ここは、これ使わな解けん」
なんてアバウトな‥なんて呟くと少し睨みながらも丁寧に説明してくれる。
けれど、どうやら私の頭は根っからの文系らしく、数学の内容が全く頭に入らない。
かれこれ２時間は北さんに聞きっぱなしだ。
北「嘘やろ‥‥ここもわからへんの？」
A「え‥‥えへへ‥‥‥」
若干顔を引きつらせながらいう北さん。
誤魔化すように笑ってみたがなんともいたたまれない。
A「じゃ、じゃあここの問題は捨てますね！」
北「あかん。この問題が解けんと応用問題は解けへん。この問題を捨てることは応用問題全てをすてることやねん。だから、この問題は死ぬ気で解けるようになり」
北さんの負担を減らそうと言った言葉が、逆に彼に火をつけてしまったらしく
甘い雰囲気の勉強会なんて以ての外。
まるで、受験戦争の家庭教師のようなスパルタ指導が始まってしまった。
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勉強を始めて６時間。時刻は4時を指していた。
A「北さん‥‥‥‥‥」
カリカリとシャーペンの音が響く中、北さんに呼びかける。
北「また、どっかわからへん？」
柔らかな口調でそういう北さんは長い睫毛を伏せながら、シャーペンを走らせている。
A「勝負しませんか？」
挑発的な口調でそういうと、彼の色素の薄い瞳と目が合う。
北「勝負？」
A「北さんが出す問題5問に私が正解したら、ぎゅーってしてください。」
これはもう、恥を覚悟だ。
北さんは一瞬目を見開いた後、暫く考え込んで「ええよ」と返事を返した。
北「でも、これ俺にメリットないで」
A「え、えぇ‥‥‥ケチだなぁ」
北「じゃあ、この話はなしやな」
A「い、いいですよ！何にしますか？！」
北「‥‥‥‥勝ってから考えるわ」
こうして、私と北さんの負けられない戦いが幕を開けた。
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あさみ(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新待ってます！！頑張ってください！ (2021年12月18日 20時) (
レス) @page33 id: 2e88d3e072 (このIDを非表示/違反報告)
餅 - 続き気になります！更新待ってますー！ (2021年11月9日 15時) (レス) @page33 id: 64e7de5949 (このIDを非表示/違反報告)
meちゃん - 終わりではないのですが、バグで完結と表示されてしまっています。気が向いたら更新するので気長に待ってください。 (2021年2月25日 4時) (レス) id: cb6de503e4 (このIDを非表示/違反報告)
真柴白 - 何故、此処で終わりなのかわからない｢(ﾟﾍﾟ)続き気になります！！更新する事を心より待っています。 (2021年1月12日 20時) (レス) id: b8cb4c9ad0 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 終わりなんですか？！続き読みたいですっ！！ (2020年8月8日 6時) (レス) id: 20ff22750d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：meちゃん | 作成日時：2018年3月4日 12時
