１２６話「微笑ましい」 ページ27
ア「...昔は違った。」
嬉しそうに口角を上げていたアリスの表情は一転、俯きながら...弱々しい声を零した。
『話の流れから察するに...
昔は...弱いヤツにも厳しかったんだな、レコは？』
ア「...その通りだ。
レコは...生まれた時から音楽や人を魅せる才能や活力に満ち溢れた人間でな。
自分自身にも厳しかったが...
なにより弱いくせに行動しない人間に厳しかった。
ビックリするほど変わったよ。」
何が...レコの心境を変える切っ掛けになるのかと考えて、理由が浮かぶのは簡単だった。
ケ「あんたの殺人事件がキッカケで...？」
ア「...！
...ククク......その通り...だ。
つまらない事を聞かせたな...。」
アリスの起こした殺人事件は...
レコはもちろん、アリス自身へも大きな傷を植え付けたのだろう。
アリスはそういった後、レコの視線から外れるために...再び物陰の方へと隠れに行こうとしていた。
しかし──────
レ「サラ！！」
サラの名前を呼びながら、笑顔でレコがこちらを振り返る方が...先だった。
レ「気が付いたんだな！！サラ！！」
レコはアリスの姿が近くにある事も気にせずに、安心した表情でサラの隣へと小走りで近付いて来た。
ナ「サラちゃん！！
あ、タイガさんも...おはようございます！」
ナオも続く様にしてサラに近寄るが...
途中、オレがいる事に気付いてくれ...挨拶をしてくれた。
...その律儀な所がたまらなく愛おしい。
ギ「サラ姉ちゃぁーーーん！！」
最後にギンが...遠慮無しにサラに飛び付いていた。
ケ「元気な姿で再会出来たみたいで、良かったよ。」
『...ふっ...そうだな。』
オレとケイジは４人から少し距離を取り、その微笑ましい様子を静かに見つめていた。
レ「大丈夫か！？」
ナ「む...無理しちゃダメですよぉ...！？
サラちゃん...！！」
サ「私なら...大丈夫ですよ！
た、タイガさんが...私の力になってくれたんです。」
ギ「ボクも...！
ボクもサラ姉ちゃんの力になるニャン！！」
サ「ありがとう、ギン...。」
.
.
ア「...レコ。」
サラに向けられていたレコの優しい笑顔。
レ「...なに見てんだよ。」
しかし、同じ物はアリスへと向けられる事は無い。
驚く様に４人の様子を見ていたアリスに向けられたレコの表情は...厳しい物だった。
ア「...い、いや...すまない...。」
視線をキョロキョロとさせながら、しどろもどろに言葉を告げたアリスは...肩を落としながらロビーから消えて行った。
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伊豆花織(プロフ) - ハムエッグさん» コメントありがとうございます！現在、続きが手に付かない状況になってまして更新ができない日々が続いてますが、今後も応援お願いします！ (2月12日 2時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
ハムエッグ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです........ (2月11日 21時) (レス) id: e9b251311b (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - にしんさん» はい！再開させて頂きました！！引き続き更新を続けますのでこれからも見て行って下さい！ (12月12日 21時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 更新再開されたんですね！ これからも応援してます！ (12月12日 19時) (レス) id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2023年10月25日 18時
