１２３話「影？幻影？」 ページ24
サラが落ち着いた寝息を立ててから少し経ち、オレも眠気でうっつらしていた時の事だった──────
コンコンッ...と遠慮がちな音が響いた。
『誰だ...？』
ベッドの上から立ち上がれないまま、扉の向こうに居る人物に向かって返事を返した。
ケ「よかった、タイガくんも居たんだね。」
オレの声を確認した後、入って来たのは...ケイジだった。
『人の事言えないが...年頃の女の子の部屋にノック１つでノコノコと入って来んなよ、ケイジ。』
ケ「まあ、キミがいるって知ってて来たわけではあるけどねー。」
そう言いながら、ベッドの枕元の方まで歩いてくると...サラの顔を覗き込んだ後、オレの隣に腰を下ろした。
ケ「サラちゃんは...しっかり寝てるみたいだね。」
『ああ...。
一応、言っておくぞ。
こいつにごねられたからここに居るだけであって、サラに手を出す気はねぇから...心配はすんな。』
証拠として、ガッチリと握られて離れそうにない左手をケイジに見せた。
ケ「クククッ...見せ付けてくれるねぇ。
でも、そこは心配してないよ。
どっちかと言えば...サラちゃんは“影”とか“幻影”って言葉を口にしてたかい？」
『幻影...？
いや、それっぽい事は...言ってなかったな。
夢見は悪かったみたいで...泣きながらジョーの名前を呼んだり、死の瞬間を繰り返すみたいだが......。』
ケ「良くは無いけど...良かった、かな。
タイガくん１人の存在で、ここまでしっかり眠れてるなら...心配しすぎる事は無かったね。」
“幻影”と言う物を語る時、ケイジの肩が微かに震えた。
軽快な言葉で誤魔化そうとしているが、表情は...険しかった。
『ふぁぁ......寝みぃ...。
......っ...と、悪いな。
他に...何か用だったか？』
ケ「おっと...ごめんね。
そろそろ寝ようとしてたタイミングだったかな？」
『まあ...そうだな。』
ケ「じゃあ、オレはお暇するよ。」
そう言って、ケイジは扉の方へと向かって行った。
『.........無理すんなよ、ケイジ。』
ケ「...ありがとう、タイガくん。」
そして...静かな空間にバタンッと扉が閉まる音が響き、再びサラと２人になった。
『......ケイジも...大変なこった。』
再び、デカイあくびが漏れ出たところで...サラの顔を一瞥した後、オレも眠りについた。
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伊豆花織(プロフ) - ハムエッグさん» コメントありがとうございます！現在、続きが手に付かない状況になってまして更新ができない日々が続いてますが、今後も応援お願いします！ (2月12日 2時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
ハムエッグ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです........ (2月11日 21時) (レス) id: e9b251311b (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - にしんさん» はい！再開させて頂きました！！引き続き更新を続けますのでこれからも見て行って下さい！ (12月12日 21時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 更新再開されたんですね！ これからも応援してます！ (12月12日 19時) (レス) id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2023年10月25日 18時
