１２２話「一緒に」 ページ23
サ「あの...タイガさん。」
『ん...？
どうした？
言いたい事があるなら...今の内に吐き切っちまえ。』
顔を上げたサラは...上目遣いでオレの顔を見て来た。
目元は赤く腫れ、瞳は潤んだままであったが...
さっきまで纏っていた絶望的な空気は和らいでいた。
サ「今更なんですが...この部屋は何ですか？」
『あぁ...その事か。
ここは３階。
この部屋はサラ用に用意された個室だ。』
サ「タイガさんが...この部屋に連れて来てくれたんですか？」
軽くオレから視線を逸らしたサラは...頬を赤らめ、シャツの裾をキュッと握って来た。
『まあ...そう言う事になるな。』
サ「そうだったんですね...
ふふっ...ありがとうございます、タイガさん。」
『あ、ああ...気にするな。
えっと...
一応、時間なんて分かんねえけど...真夜中だろうさ。
他のヤツらも寝てるし...オレも眠い。
サラも...とっとと寝ちまえ。』
シャツを握るサラの指を解いて、立ち上がった後...部屋の外に向かって歩きだそうとした。
サ「い、嫌です...！
タイガさん、一緒に居てください！」
『お、おい...サラ！』
状況は悪化した。
ベッドから立ち上がった瞬間...サラは顔を真っ青にして、腕をオレの腰へと回して来ていた。
サ「お願い、です...。
今日だけで...いいんです......。
今日だけ...私の隣に...居てください......。
ジョーが...
夢を、見るのが...怖い、んです...。」
『.........。
今日...だけだ。
これ以上は...妥協しない。』
サ「タイガ、さん......。」
サラは安心した様に固くなった表情を緩めると...ガッシリと掴んでいた腕が緩められた。
『ベッドに横になれ。』
そして、そのまま...ベッドへ押し込む。
『目を瞑れ...。
手は...貸してやる。
お前が次に目覚めるまで...隣に居る。
だから、寝ろ。』
サラは、ギュッとオレの左手を両手で包むと...自然と頬へと寄せていた。
サ「タイガさんの手...暖かい、です。
朝まで...
隣に、居て...下さい......ね。」
すっかり、とろん...と蕩けたサラの瞳がゆっくりと伏せられて行く。
『.........ゆっくり、寝ろ。
明日、何があるか...分からないし......な。』
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伊豆花織(プロフ) - ハムエッグさん» コメントありがとうございます！現在、続きが手に付かない状況になってまして更新ができない日々が続いてますが、今後も応援お願いします！ (2月12日 2時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
ハムエッグ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです........ (2月11日 21時) (レス) id: e9b251311b (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - にしんさん» はい！再開させて頂きました！！引き続き更新を続けますのでこれからも見て行って下さい！ (12月12日 21時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 更新再開されたんですね！ これからも応援してます！ (12月12日 19時) (レス) id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2023年10月25日 18時
