１２１話「何度も」 ページ22
サ「.........。」
『......落ち着いた、か...？』
サ「...はい。
背中、ありがとう...ございます...。」
背中に置いたままだった手を肩へと持って行った後、すっかり座り込んだままだった床からゆっくりと立たせ...ベッドに座らせた後、オレも隣合うようにして腰を下ろした。
サ「......。」
オレが隣に居る事を確認すると...サラは遠慮がちにオレへと寄っかかって来て、頭を肩へと預けた。
『......サラ？』
すっかり憔悴しきって、ぐったりとしているサラを邪険には扱えず...先程の様に背を撫でていれば......サラがポツポツと夢の内容を話し始めた。
サ「......あのボタンを押して...
ジョーが...死んで、しまう...までの光景を......
何度も、繰り返し、見るん...です......。」
『......そう、か.........。』
この感じは恐らく...ホエミーの“あなたがボタンを押した分、ジョーは長く苦しんだのです。”と言う言葉は...無事、サラに届いていなかったのだろう。
仮に聞き取れていた場合、もっと自身を傷付けていただろうから...この方が都合はいい。
サ「何度も...何度も...
ボタンを押しても...機械は止まらなくて......
その度に...ジョーが......死んで...
何も出来なくて...
私は...無力で......。」
サラが話している途中、はらはらとアメジストが溶ける様にして...ポタポタとスカートにはシミが出来ていく。
『お前は...無力じゃねえよ。
あの時の、カイの最期の言葉を...忘れてやるな。
ジョーを助ける事は出来なくても...
サラの行動は...先への可能性に繋がった。
自分を卑下するな。
最後まで...
お前を信じたヤツらに顔向け出来る...お前でいろ。』
サ「うぁ...ぅっ......っ...！
.........うぁぁ...っ...！」
背中に触れていたハズのオレの手は...気付けばサラの肩へと伸びており、次第に声を上げて大泣きするサラに胸を貸す次第になっていた。
『胸は貸してやる。
だから、今は...泣いておけ。
我慢なんてしなくて良い。』
泣く女は面倒臭い。
同情を求める様に泣き喚く、高い声が耳に障って...気分がいい物とは言えない。
しかし、オレに抱き着いて泣きじゃくってるサラには...不思議と嫌悪感が無い。
不思議な...感情だ。
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伊豆花織(プロフ) - ハムエッグさん» コメントありがとうございます！現在、続きが手に付かない状況になってまして更新ができない日々が続いてますが、今後も応援お願いします！ (2月12日 2時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
ハムエッグ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです........ (2月11日 21時) (レス) id: e9b251311b (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - にしんさん» はい！再開させて頂きました！！引き続き更新を続けますのでこれからも見て行って下さい！ (12月12日 21時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 更新再開されたんですね！ これからも応援してます！ (12月12日 19時) (レス) id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2023年10月25日 18時
