１１８話「ザワつく胸」 ページ19
バタンッ...と扉が閉められ、部屋の中には気絶する様に眠っているサラとオレだけになった。
『はぁ.........。』
オレは溜息を吐きながら、ベッドに横たわるサラの横に腰掛ける。
落ち着いた様に見えていたサラの寝姿。
その様子を見ていれば...シャツを握り締める手が強くなり、縋る様にしながら苦しげな声で...名前を呼ぶ。
サ「ジョー...
......ジョー......っ...。」
サラとジョーは...強い絆で結ばれた、かけがけのない親友同士。
２人の最期の会話から...その友情の確かさはオレ達へも届いていた。
疑う必要も無い。
ジョーの死は...確実にサラの心へと深い傷を残した。
だからこそ、こうやって夢にまで見て...苦しんでいるんだろう。
『サラも...ジョーも...本当にバカだ。
その他大勢の命を何かを優先して...。
結託して、２人でここから逃げ出すって選択肢もあったのにな......。』
オレには...到底真似出来ないお人好しな行動だ。
そもそも、オレが優先出来る命には限りがある。
その相手は...大事な姉さんであるカナエと初めて自分から恋をしたナオだけだ。
でも...
『サラの側にいると...胸がザワつくんだよな。』
この感情が...一体何なのかは分からない。
別に...理解しようとも思わない。
だけど...今のオレが出す事の出来る答えは、１つ。
『約束、守ってやるよ...ジョー。
サラが苦しんでる時は...サラの側にいてやる。
お前の分も...サラを支えるよ。』
そう呟きながら...シャツを握り締める手を緩めて、その手をオレの指に絡ませた。
すると...さっきまで苦しみながら、ジョーの名前を呼び続けていたサラの表情は和らぎ、安心したのか...穏やかな顔で寝息を立てていた。
『ふっ...。』
ついつい...オレの顔も緩んだ所で───
ギ「サラ姉ちゃん！タイガ兄ちゃん！」
扉が大きな音を立てて開けられた後、弾丸の様にベッドに向かって...ギンが飛び込んで来た。
レ「こら！ギン！！
サラはまだ寝てるんだから、静かに開けなきゃダメだろ！」
ギ「あ、うっかりしてたワン...。」
しょんぼりとしたギンは...ベッドから１度降りた後、大人しくサラの足元へと座り直した。
『お前ら...。』
ナ「やっぱり心配で...みんなでサラちゃんの様子を見に来ました。」
『それは...助かるよ。』
ナオとレコの2人も部屋に入ってくると、眠ったままのサラを寄り添う様にして...ベッドの周りに立った。
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伊豆花織(プロフ) - ハムエッグさん» コメントありがとうございます！現在、続きが手に付かない状況になってまして更新ができない日々が続いてますが、今後も応援お願いします！ (2月12日 2時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
ハムエッグ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです........ (2月11日 21時) (レス) id: e9b251311b (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - にしんさん» はい！再開させて頂きました！！引き続き更新を続けますのでこれからも見て行って下さい！ (12月12日 21時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 更新再開されたんですね！ これからも応援してます！ (12月12日 19時) (レス) id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2023年10月25日 18時
